SREホールディングスの株主総会は思ったよりもまともだった

 SREホールディングスの株主総会に出て、3点ほど質問をさせてもらった。ITを用いた同社のビッグピクチャーはあまりに斬新で私には評価ができかねたが、これはたしかに既存の不動産業界からは生まれない知恵に見えた。

しかしいかにビッグピクチャーを持つとはいえ、「1000万円もしない物件に7000万円もの査定」を付けて一般の消費者を破滅に導きかねない行為は、厳に慎むべきだと指摘したが、この件では西山社長の反省の弁もコメントもなかった。

 

「ソニー」の名に泥をぬる『AI』=おうちダイレクトのAI価格査定は詐欺師に最適?

 

 社員数が僅か177名の会社としては非常に念を入れた株主総会の運営で、かえって奇異に感じた。事務局の4人の中に他社からの助っ人と思しき怪しい人間がいる気がした。

 

 SREホールディングスの営業担当者は「不動産仲介の知識や技量が低い」との評判が昔からあり、この評判を真に受けてよいかどうかの判断に資するため、「本社事務所における宅建士の法定充足割合」を質問した。西山社長は充足しているとしながらも、その明快な根拠を示さない回答に終始し、私は株主総会終了後に事務方に質問した。たぶん「『出向受け入れ者』を分母に入れた場合」は本社事務所は宅建士の法定充足割合を満たしておらず、「宅地建物取引業法違反」状態なのではないのかと推測した。

 

 剰余金が連結では単体の倍もあるのに無配を継続、株価は大きく下落という中で、「役員報酬の増額」が議題としてあった。取締役のうち「取締役監査等委員が報酬増額に値する」のかを質問したく、取締役会招集通知を「原田淳氏」と「本澤豊氏」に対してどのように行ったかと、両氏の取締役会への出席状況を質問した。西山社長は両氏へ招集を通知したか否かを含めて言を左右にし、最後まで明確な回答をしなかった。あった説明は「出席頻度」の話で、これは取締役会の適法性とは別問題だ。

 結局「取締役会は適法な手続きにより開催された、適法な取締役会である」という回答は西山社長からは一切なく、同社は「違法取締役会を繰り返していた」可能性を強く感じた。当方が質問をしたかった取締役監査等委員の報酬増額の妥当性の問題は議論ができなかった。

 

 私以外の数名から質問が出た。よく了解できなかったのは「西山社長は(立場的にもう)女性問題があると週刊誌等で暴露されうるのですよ」というような趣旨に聞こえた質問だった。

 本日の株主総会の入念な準備状況を見ると、この問題は株主総会レベルでは懸念する必要はないだろう。この手の話は総会の準備段階で非常に厳しく社内で精査され、社長といえでも自制せざるをえないからだ。もちろん週刊誌のレベルの話は当方は分からない。

 

 なお西山社長は「取引データを集めるほどAIの精度は高くなる」としていた。こんな話はありえない。鹿児島や青森のデータをいくら集めても、渋谷の物件には関係ない。また渋谷のデータを一生懸命、たくさん集めていたらその間に相場価格が変わってしまう。

 

 このあたりは「不動産市場という生き物」への重大な誤解なり認識間違いがあるようだ。株主総会では質問者一人当たりの質問回数に制限を設けるとしていたため、総会終了後にAIアルゴリズム担当と見られる「角田智弘氏」に「おうちダイレクトの価格査定精度の低さはアルゴリズムの前提が不動産市場の現実に即していないためであると思われる」と意見交換をしたかったが、拒否された。

 「不動産市場というのは生き物」だ。「取引データを集めるほどAIの精度は高くなる」という単純で静的な前提はあてはまらない。「商業用不動産のAI価格査定」でも同様だ。

 なんでもいいけどとにかくアルゴリズムを作れば、数字を入れると何らかの計算結果は出るだろうが、これは「価格査定」でもなんでもなく、ただの「計算結果」でしかありえない。

 プロから見れば馬鹿らしい限りだが、税務署提出用、金融庁提出用、相場を知らない相続人を納得させるため用、自分の保有資産が高く評価されることをぬか喜びする人用、類似物件のどれを組み合わせれば最も高い査定価格となるかを試してみたい人用、SREがいかに多くの(不正確で意味が乏しい)査定を手掛けてきたかを自慢するための資料等にはなるかも知れない。

 

 しかしおうちダイレクトのAI価格算定アルゴリズムは「1000万円」もしないであろう中古の公団か公社のマンションに「7000万円」の査定を付け、それを「SREなら高い査定を付けることができる」と延々と自慢し続けていた。

 何を考えているのだと言いたくなる。

 

 本件の責任者に見える「角田智弘氏」には一体どの程度の見識があり、その上でSREの役員を勤めているいるのかを知りたく、面会しようとした訳だが、前述のように拒否された。

 今後一年間かけて同氏がSREの取締役の責を果たしうる能力を持つ人間かどうか精査したい。業界各社にまたがる知人・友人に依頼し、SREが彼らあてに作成した資料等も集めて、もし同氏の能力ではSREの取締役の責を果たせないと当方が考え、かつ同氏が来年も取締役を続けるようなら、任期がまだあろうがなかろうが株主総会で厳しく問いただす。

 通常は「解任」される前に「辞職」した方が本人にメリットだ。まだお若そうだから履歴書に書きにくいでしょ。