「中植企業」、「碧桂園」、「恒大集団」で今度こそ『中国ガラガラポン』の再来か?

 碧桂園は昨年まで中国で最大のデベだった(今年は今の所、6位)が8月の初めに2本のドル建て債の利払いが出来ず、不信感が急速に高まって株価やボンドは急落した。商業不動産デベ首位の大連万達の資金難に加えて恒大集団の問題も未決着であり、もし不動産セクターの総ドミノ倒しが発生すると中国はもちろん、世界に問題が波及しかねない。

 

(8月18日の報道では恒大集団はアメリカで破産申請したが、同社はアメリカと中国の裁判制度なり破産申請手続きを誤解している可能性がある。)

 

 中国は生産者物価に続き、消費者物価もマイナスに陥り、デフレ色が強まっている。

 

(中国ガラガラポン関係は末尾)

 

 アメリカの金融機関の間で「リスクが存在する」との理由で「商業不動産」への融資総量を減らす動きが急だ。ゴールドマン・サックスやJPモルガンは健全なローンまでも損を出して売却、リスクの総量を減らそうとしている。大手モーゲージリートは新規融資を停止した。

 

 モールの中でも地方部にある郊外型の物は苦境が深まり、生き残り策が見えない。

 

 ブラックストーンのBREITの投資家からの償還未請求問題は、峠を越えた模様だ。大型物件の売却をして償還請求に回しつつ、データセンターへ重点投資する方針。ファンドのブルックフィールドやスターウッドはディストレストな不動産投資を狙っている。

 

 市中心部の荒廃に悩んでいたサンフランシスコのオフィス市場に明るい話が出て来た。かなり多くのAI企業が大きな広さのオフィス床を探している模様だ。大口だけで最低10社はあり、合計で100万sqft(2.8万坪)にはなる。3月以降に数社、大口が成約している。

 

 「在宅勤務の旗手」だったZoom他のIT企業がどんどん自社を在宅勤務へと向けている。しかしアメリカではオフィス勤務体制になっても何らかの形のハイブリッドは残るだろう。

 

 WeWorkは破たんが近く、その場合はマンハッタンに巨大な空室が発生しかねない。

 

 新型肺炎の初期に。ニューヨーク等からサンベルトやフロリダへの「エクソダス」が起きたが、逆の流れが富裕層等で始まっている。税率の低さが全てに優先される訳ではない。「フロリダへ引っ越す事の最大の問題点はフロリダに住む事になる事だ」とされる。

 

 「低金利のモーゲージ」が自宅を売る気になれない主因だ。しかし住宅の年間売買戸数は約500万戸で、低金利時代終了後の累積約800万戸のモーゲージは低金利ではない。子供の成長やダウンサイズ等のライフステージの変化で買い替えしたがっている人は多い。

 

 ケインズの論と正反対の事が住宅市場で起きた。論に反して「金利の上昇で住宅価格も上昇した」が、融資済みの低利のモーゲージの為に供給不足になったからだ。既存住宅の物件数不足で新築住宅に客が流れ、新築物件への需要増で新築住宅でもインフレが起きた。

 

 フィッチがアメリカ、ファニーメイ、フレディマックの格付けをAAAからAA+へ格下げしたが、12年前のS&Pによる格下げ時の様な激しい反発は政府からは起きていない。 

 

 カナダで老朽化したビルを購入して取り壊し、マンション事業をするという業者が現れた。我々日本人には違和感はない話だが、アメリカ人にとっては「ビルを取り壊すという発想自体」に驚いている。問題化している商業不動産の中にこの手法で生き返る物件がある。

 

 ロンドンで今、最も活気を取り戻したのはオフィスや店舗その他が混在するウエストエンド・地区で新型肺炎から得異常化したどころか。小売店やレストラン、バー等の売上は新型肺炎前と比べて15%も多くなっている。

 

 反対に日に日に悪いニュースが続くのがカナリーウォーフ地区だ。テームズ川の水運の基地だった地区の再開発ででき地区で多数の無機質な大型ビルがあるが、これらから大口のテナントが転出するか縮小をしている。逆にウエストエンドの方は人間臭さが混在し、オフィスと観光客も盛況だ。パリやフランクフルトでも無機質な大型ビルは嫌われている。

 

(中国ガラガラポン関係)

碧桂園:同社が破たんするとデベのドミノ倒しが続く 

(ウォールストリート・ジャーナル電子版 2023.8.5・土)

 碧桂園は先週、株式発行増資が取りやめになった事が報じられ株や社債が大きく下落、ドル建て債も急落して2024年1月満期のボンドは額面の25%で売買されている。このボンドは6月中旬まで額面の81%で売買されていた。デベ株は当局により規制緩和発表で一瞬上昇したが売上げの大幅減少等の悪材料で下げた。

碧桂園:国内の元建て社債取引の一部停止で株式市場全般にショック 

(フィナンシャル・タイムズ電子版 2023.8.14・火)

 碧桂園は国内市場で少なくとも10本以上の社債売買を停止した。同社株は最大18.4%下落、金茂集団は9.8%下落する等となった。政府が救済に乗り出す動きは見られず、「たった二週間前には政府は不動産セクターは救済すると言っていたのに、現実には何もしようとしておらず、今後の30日間が碧桂園にとって山場だ」とされる。

中国:信託会社トップの中植企業が利払いをできず、「悪循環の開始の可能性」 

(ブルームバーグ 2023.8.14・月)

 高利回り投資商品の何本かで利払いが止まっている。民間最大の資産運用会でシャドー融資を提供する「中植企業」が利払いの支払いを出来なかっ為に起きた。中国では信託ローンは不動産向けや地方政府向けが多く、全信託資産の13%にあたるに2.8兆元(63.0兆円)にデフォルトのリスクありうる。

中国:シャドーバンキングの数十本が支払い不能に陥る 

(ブルームバーグ 2023.8.16・水)

 中国の中植企業系信託会社が資産運用商品・数十本の8月8日分の支払いが出来なかったとしたが、これは不動産問題の根がいかに深いかを示している。同信託会社は今年末までに返済期が来る高利回り商品を270本、総額395億元(7900億円)を組成・販売している。政府は長年シャドーバンキングを絞って来たが同社はその代表だ。

中国:デフレへと滑り落ち、世界経済に警戒感 

(ウォールストリート・ジャーナル電子版 2023.8.9・水)

 中国の消費者物価は6月は前年比で+3%だったが7月は△0.3%となった。製造業物価を工場出荷段階で見ると昨年10月以降、マイナスが続き7月は前年比4.4%の下落となっている。豚肉は26%下落している。

中国不動産:住宅価格の下落が一段と大きくなる 

(ブルームバーグ 2023.8.16・水)

 70大中都市新築住宅価格指数の7月分は6月比0.23%下落した。6月の前月比は0.06%下落だった。二次市場では7月分は0.47%下落している。8月の住宅市場は更に悪化していると言われている。7月の新築住宅の下落は70都市中で49都市だが、中国住宅市場は70都市中63都市で下落した。深圳は0.9%下落だった。