日本経済新聞・中国総局長のTVでのコメントはここが誤り

 日本経済新聞の海外不動産の記事があまりに間違っていたので、日経テレコムも含めてあてにはしない事にしたのが、たしか2000年代の終盤だった。

 今は海外不動産の報道内容が格段に向上、これにはフィナンシャルタイムズの買収が非常に大きく寄与していると思う。

 

 テレビで見た「日本経済新聞・中国総局長のコメント」は以下の2点で(たぶん)誤りだが、この程度の誤りをああだこうだと言うつもりは全くない。今回の様に中国が抱える問題を報道していただく事の方が、もっと重要だと思う。

 

 まず、中国政府が導入しようとしているがなかなか進まない税金を「相続税」と中国総局長は言っていたが、これは日本流にいえば「固定資産税」だ。「相続税」は中国ではまだ話題になっていない。

 

 「固定資産税」を導入すると問題が2つ起きる。

 

 1つ目は「誰がどの不動産(マンション)を所有しているのか」を確定しないと固定資産税をかけられないことだ。中国では社会の上層部ほど多く戸数のマンションを投資目的で所有、「200戸所有」などというのはかわいい方で、たぶん1000戸以上を保有している人もいるはずだ。「固定資産税の導入」に対する既得権益層の抵抗は明らかだ。

 2つ目の問題点だが、投資目的で買われたこれらのマンションのほとんどが空室で家賃収入がない。固定資産税を払えと言われると、支払いの原資がないので大変なことになる。

 

 そもそも貸しもしないマンションをなんでこんなにたくさん持っているかなのだが、英米メディアは中国では貯蓄手段が少ないからだという。

 しかしわれわれ日本人には、中国人が「マンション(不動産)」で持ちたがる気持ちは分かるような気がする。「中国の話は10で割って考えろ」という昔からの格言に従えば、中国での「1000戸」は日本の「100戸」になる。これくらいの戸数なら日本人にも持っている人がいそうだ。

 

 もう一つの誤りとは「土地売却収入が地方政府の重要な財源になっている」とのコメントだ。これは必ずしも「誤り」とは言えず、単純に見るとその通りなのだ。しかしこれだけでは説明がつかない話が多い。

 

 「重要な財源」にしてはおかしいのだ。地方政府は人里離れた土地も公売で売却している。こんな土地は売却後の基盤整備、すなわち道路の新設や当該土地までの水道、ガス、電気の引き込みが嵩み、土地の公売収入はほとんど残らない。

 売ってもお金が残らないのでは「財源」にならない。

 

 また公売された土地を地方政府の外郭団体や関連企業が落札、実質的に「地方政府の土地を地方政府が自分で買っている」事も多い。これも「財源」にならない。

 

「公売による税収を求める事が主目的」という話なのではなく、「土地の上に民間の資金により何かを建設をさせよう」というスジの景気刺激が目的なのではという説になる。

「景気刺激」を「政府の資金」ではなく、「民間の資金」でやらせようという訳だ。

「ラストリゾート」という指摘もあるのだが、この辺はもう少し様子見をしたい。

 

 何にしても中国の話は一筋縄ではいかないし、

 一生懸命調べたり考えたりしていると、実は抱腹絶倒の話だったりする。 

 この点、日本経済新聞・中国総局長に深く同情する。

 まあ頑張ってください。

 

 (私の過去のブログ)

   中国の話は「10」で割ると実感がわく