「アマンレジデンス東京・最上階は300億円か」というデイリー新潮への笑止

 森ビルの「虎ノ門・麻布台プロジェクトのペントハウスが300億円か」との話をネットニュースの記事で目にした。随分と世界の相場を知らないらしい方がよくもどうどうと「300億円」という数字を記事にするものだ。

 ネタ元は「デイリー新潮」との事らしい。

 

  https://www.dailyshincho.jp/article/2022/10310556/?all=1

 

 ニューヨークで今までの最高価格のマンションは2.38億ドル(350億円)だが、

 為替のマジックをのぞけば、実質「250億円」だろう。

 あのニューヨークで250億円ですよ。日本で「300億円」なんてバカをいうのもほどほどにすべきで、こういう愚にもつかない数字が各所で独り歩きする事で、日本全体がいつまでも希望的観測に陥り続け、長期にわたる勘違いから立ち直れないのだと思う。

 

 世界で最も住宅価格が高いのはある尺度では「香港」だがこれは住民の所得比での話。

 

 単純に「高い」のは地中海の「モナコ」だ。ここのマンションの最高価格は4億ドル(588億円)だがまだ売れていない。なおモナコを語る場合はモナコの特殊性をよく勉強する事。「デイリー新潮」のような、ろくな勉強もせずにいい加減な記事を出さないようにしてほしい。

 

 民間人が建てた世界で最も建築費がかかった住宅はムンバイにある。工事費8億ドルとも10$(1470億円)とも言われているが、この物件には市場の相場はない。

 

 という事で、日本の今の経済力の急速な低下とそのみじめさから言ったら、「虎ノ門・麻布台プロジェクのペントハウスが300億円」と言うのはあほらしいくらいありえない。

 この記事を書いた「デイリー新潮」の方は何かを調べ、何かを考えて「300億円」という数字を書いたのだろうか? それとも森ビルの話の垂れ流しなり、噂話の受け売りなのか?

 

 マスコミの系列は良く知らないが、この記事を載せた「デイリー新潮」って「週刊新潮」なんかと同系列な訳でしょう? 今回の記事の様な調査不足以前、世界の常識すらも知らない記事が出るようでは、メディアとしての「新潮ブランド」全体を疑う。

 

 いい加減な記事でも「読者が読みさえすればよい」というのも「新潮ブランドの一つ」という事なら、こちらもそのつもりで読みますが。