ブルームバーグの記事をストレートに読めば、ニューヨークの金融サービス業の4分の1が、今後5年間でニューヨークでの人員を削減するとしている。
テキサスやフロリダのコストが安いところへ業務を移す、加えてITによる自動化でも人間のする業務は減っている、従って十分ありうる話だ。
しかし「今後5年間でニューヨークでの人員を削減する」というのは、実は「これだけ言ってもまだ在宅勤務だ、リモートワークだとつべこべ言ってオフィスに出てこない人間はデスクも仕事もなくす」という趣旨の事を暗に言っているのだろう。
現在、デスクワークの労働者のオフィス復帰率は平日でもまだ28%だ。8月の時点の23%よりは高いが、会社側が期待していた41%よりはかなり低い。
ニューヨーカーがオフィスへ復帰しない理由は電車、特に地下鉄が安全でないからとされていたが、乗客がまばらだから悪い奴らが出てくるわけで、出社する人間が増えればニワトリとたまごだ。会社も食事の無料サービスを提供したり、本来は個人負担である通勤費を補助したりしている。これでもまだオフィス復帰をしない人間には「席はなくなる」というのが今回の話の本音だろう。
経営側は従来からあの手この手でオフィス復帰を促してきた。従前の手立てとは違い、今回の話は本当に会社側が取ることができる。
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