「ホワイトカラーの低賃金の業務」だけがリモートワークに残るだろう

 「リモートワーク」が進んでもニューヨークやサンフランシスコの様な超巨大都市は衰退しないだろう。Zoomの10倍の性能を持つビデオ会議システムを6年前から持っていたIT会社は、「新製品の開発でクライアントと議論する時はこのシステムはだめだった」という。

 

 グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルの巨大IT会社がマンハッタンでのオフィス手当を急拡大させ、JPモルガン等、金融機関が削減しているオフィス床を埋め合わせている。グーグルは21億$(2330億円)で大型ビルを取得、フェイスブックも借り増しした。

 

 「所得の高い人は広い家を求めて郊外へ移住する」という説は誤りだろう。ハイブリッド勤務でも週に何回かオフィスに行く事になるが、通勤の便がただちによくなるはずはない。高額所得者は大都市の内側にある住戸を2戸購入して、これらを連結して広くしかねない。

 

 アメリカの住宅の仲介手数料は現在、「4.9-4.94%」だ。建て値は「6%」だが、仲介手数料率は値下がり傾向にある。オンライン検索の進展で購入希望者から直接売り手側の仲介業者に接触がある事が増え、買い手側の仲介業者へ配分する手数料が不要なため。

 

 ラグジュアリーホテルがホテルを併設しない「単独の超高級マンション」を手掛ける例が増えている。いずれも非常に高い価格設定だ。マンダリン・オリエンタルが来年年央にビバリーヒルズで竣工させ、モンタージュ、リッツ・カールトン、アマンが既に手掛けている。

 

 滞在中の食費や各種施設利用料のすべてを宿泊料に含む滞在型のリゾート施設、「オール・インクルーシブ」が伸びている。世界に1500か所あると言われるが、カリブ海が名高い。カリブ海のホテルは今年のホリデーシーズンでは、大変にぎわう見込み。

 

 GPIFではリートでの運用は、「ローリスク・ハイリターン」となった。

 

 恒大集団の負債は3000億$(33.3兆円)とされ、債権者は大変な数と複雑さだ。特に「理財商品への投資家」や「図面売り未竣工物件の購入者」等、扱いは極めて難しい。

 

 恒大集団の行き詰まりがどのような形になるか、固唾を飲んで見守られている。「ボルカー型」「リーマン型」「LTCM型」「ミンスキー型」が上がっている。悪夢のシナリオはコントロールされていないクラッシュだが、下手に救済すると他のデベにしめしがつかない。

 

 中国で一時、話題を呼んだ大規模な竣工済みマンション団地はゴースト・シティ(鬼城)と揶揄されていたが、その後の都市化の進展で今はかなり埋まっている。

 

 イギリスで新型肺炎対策で景気と不動産市場の下支えの為に導入された「スタンプ税の時限的非課税措置」は今年4月から非課税限度が大幅に縮小されたが、住宅市場はその後も上昇していた。しかし8月は価格の上昇速度がだいぶ緩まった。今後の動きは要注意だ。

 

 

***ジャパン・トランスナショナル 坪田 清***

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