コワーキング各社、新型肺炎で資金的にも絶不調に

 オフィス需要の減少や在宅勤務の増加でコワーキング会社はどこも苦しい。WeWorkは巨額のキャッシュフロー赤字が続き、ノーテルは破産申請、IWG(リージャス)は拠点ごとに作っていたSPCを次々に破産させて家主への賃料ほかを踏み倒している。

 

 議事堂への乱入があったワシントンでは大統領の就任式前後、暴徒を警戒してホテルの多くが閉鎖、Airbnbは予約をキャンセルした。Airbnbは「暴動ツーリズム」に向いている。トランプ氏に対しては退任直後、風当たりが急激に強くなったがその後、収まっている。

 

 新型肺炎に苦しむホテルが多いが、イギリス第2位の富豪一家であるルーベン兄弟は逆張りでラグジュアリーホテルへ多額投資している。昨年以来、ニューヨーク、ローマ、マイアミ他で38億$(3990億円)を投資、今回はベネチアのホテルを1億$(105億円)で買った。

 

 マンハッタンのオフィスは急速にアベイラビリティ(空室+リース切れ後のテナント未定)が増加しているが、この1月のリーシングは昨年7月以来で最大となった。リーシング面積増加の要因の一つはサントリー系のビーム・サントリーの大口リースがあった事。

 

 マンハッタンの賃貸住宅は供給増と新規リースの減少で家賃が大きく下落、しかし家賃下落とインセンティブの拡大で昨年末は新規リースが急増した。「インセンティブ」は「フリーレント何か月か分」と「仲介手数料の肩代わり」で、新規リースの54%に付いている。

 

 通勤利用を想定して郊外のウエスチェスターからマンハッタンへヘリコプターが運航される。片道175$(1.8万円)だ。アメリカではこの一年で富裕層は大幅に富を増やし、一方で3000万人が十分な食料を得ていない。新型肺炎の期間に富の格差は急拡大している。

 

 ミレニアル(1981-96生まれ)がラグジュアリー住宅の市場で最も重要な層になった。

 

 中国では政府は引き続き不動産向けの融資を引き締めていて、年初からオフショアのボンドのデフォルトが多発している。一方、ジャンク格であるB-格のボンドを利回りの高さから好む海外投資家も多く、新発のボンドは良く売れているという話もある。

 

 香港で一つの住戸を何戸にもパーティションで分けた狭小住戸の面積は5.3㎡(1.6坪)程度で、9.27万戸に20万人が住むとされる。新型肺炎の爆発が懸念される。

 

 ブレグジットによりロンドンで行われていた取引の一部がヨーロッパの幾つかの都市へ移ったが、これがヨーロッパにとっても良かったのかどうか、議論が出ている。金融取引の集積のメリットが薄れる上、取引をニューヨークに奪われかねないという懸念もある。

 

 イギリスで導入されていたスタンプ税の時限的非課税により住宅市場は好調に推移していたが、非課税期間が終了する3月末を挟んで市場の動向が注目されている。ネイションワイドによれば早くも1月の住宅価格指数が前月比0.3%のマイナスとなった。

 

 世界中で「ディスカウント店チェーン」が伸びている。昔は低所得者層が利用する店と認識されていたが、今はどの国でも中所得者層も常用している。

 

 カルフールにカナダの会社が買収を試みたが、数日でオファー取り下げとなった。」

 

 

***ジャパン・トランスナショナル 坪田 清***

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