キャノンの業績不振の原因は「家庭用のインク」での儲けすぎ

 キャノンが昨年4-6月期に赤字だった記事を見た。その後の業績は知らない。

 この記事によるとキャノンの赤字の主因2つのうち、一つはオフィス向け事業だという。

 決算書しか見えない人には、そう見えてしまうのでしょう。

 

 私は全然違う角度から、「オフィス向け事業赤字」の原因を想像する。

 

 それは「キャノンの家庭用プリンターのインクの値段がばか高い事」だ。

 商品戦略として「プリンター本体を可能なだけ安く売って、それを買った人に高い値段でインクを買わせ、そっちで末永く儲けよう」という意図がみえみえだ。

 同様な商品戦略に男性用のシェーバーがあって、下手すると替え刃の方がシェーバー本体より高い時があるそうだ。

 他の家庭用プリンターのメーカーの商品戦略も似たような物なのかも知れない。

 

 私がビジネスを立ち上げてからもうすぐ7年、この間、プリンターはどんなに紙詰まりがよく起きてもキャノン製を使い続けた。

 インク代は毎月1万円を超す。5年くらい前、インクが純正品でない事を理由にサポートが故障に対応してくれない事があったので、以降は純正品しか使っていない。

 年間のインク代がアマゾンで買って「14万円」ですよ。

 これはプリンタ―本体の4倍くらいだと思う。

 

 そこで本題の「オフィス向け事業の赤字」だ。

キャノンのインクの高さに自宅で頭を痛めている発注担当者は多いだろうし、そういう話もまわりから聞かされる人も多いだろう。

 どんなにキャノンのオフィス部門が発注担当者に安い見積もりを持って来ようと、キャノンには発注できない。個人的体験から、どうせランニングで儲けるつもりだろうと考えるからだ。

 

 だから「キャノンのオフィス向け事業を赤字にしているのはインクの黒字」だと想像する。

 キャノンがインクで儲ければ儲けるほど、オフィス向けは受注が細るという構造になっているのだ。

 社内ではきっとオフィス向け部門が怒られ、インク部門がほめられているのだろうが、まとはずれだ。

 こういう安直な商品戦略は、長続きはしないという事だ。