似てきた中国人と日本人の不動産へのメンタリティ

 「不動産に対するメンタリティ」で中国人と日本人が似ている点をあげてみよう。

 

 まず世界共通ではやっている「在宅勤務」「リモートワーク」に対するスタンス。

 中国の上海や北京、深圳についてはこの1年、「在宅勤務」の話は全く報じられなかった。「在宅勤務」は皆無だったのだろうか。この話はここでは無視する。

 面白いのが香港の中国人で、「在宅勤務だけではいやだ、オフィスに仕事場を残してくれ」と従業員達が言っている。

 元々、人と会うのが好きな民族性の上、香港の住宅は極端に狭く、地下鉄やバスが効率よく運行しているので通勤時間も短い。だからオフィスに行きたがっている訳だ。

 これって半分くらい日本、特に中高年に当てはまらないだろうか。

 

 4年くらい前まで、大した金持ちでもない一般の中国人もアメリカで不動産投資をするようになった時期があったのだが、主たる買い物の一つが一戸建て住宅だった。

 その時に中国人は必ず「二階建て」を希望した。これがアメリカの現地の不動産仲介業者を面食らわれた。

 というのはアメリカの多くのエリアでは敷地が広々としていて、わざわざ住宅を二階建てにするという発想がない。従って二階建ての物件は極めて数が限られており、中国人が買いに来たというと、あわてて二階建て住宅の持ち主に売る気はないかと聞きに回るわけだ。

 日本人も意味なく住宅を二階建てにする時があるような気がする。

 

 日本はバブル期に、中国人は概ね2010年前後に、ともに盛大にあらゆる種別のアメリカの不動産を買いまくった訳だが、共通して買わなかったものがある。

 それは「モール」だ。

 契約が複雑に込み入っているからだろうか。

 唯一の例外として思い浮かぶのはこれよりもかなり昔、1982年にダイエーがハワイで買ったアラモアナという超大型のモールだ。しかし同社はあまりにもばかげた買い方をしたため、後の経営破たん時にこの取引が倒産原因の一つにあげられていた。

 

 それにしても、中国人と日本人が不動産へのメンタリティが似ているというのはどういうことなんだろうか?

 

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