三菱地所が日本一となる超高層ビル・トーチタワーを英語でリリースできなかった理由

 三菱地所の高さ390mの「トーチタワー計画」を海外のメディアがどう報道するか興味を持っていたのだが、私が読んでいる(といっても不動産関係だけだ)英字新聞6紙ではどの一つにも出てこなかった。

 

 三菱地所はたぶん本件について、英語での情報発信をしなかったようなのだが、その理由を想像してみた。

 

1)単純に三菱地所には英語による広報能力がなかった。

 

2)海外メディアに載ると「三菱地所」という会社への説明で、バブル時にロックフェラーセンターを買って巨額損失を出した会社でありこの投資は今でも「三菱の愚行:Folly of Mitsubishi」と呼ばれていると書かれてしまう。

 

3)三菱地所は海外での事業展開を「ロックフェラー・グループ」という名前の子会社で行っているが、経緯はともかく同社にはロックフェラー一族の人間は一人もいないし、ロックフェラー財閥との資本的な関係もない。いかにもそれを誤認させて企業としての信用を安易に得ようとしているのか、そそっかしいが優秀な人材を雇おうとしているかのようだと書かれてしまう。

 

4)前記の三菱地所が起こした「三菱の愚行」により、三菱重工や三菱UFJ、三菱商事ほか三菱グループ全体が迷惑を受け、海外での釈明に苦労した。そのため「三菱地所はたとえ国内の話でも『三菱』の名を海外には出すな」と三菱グループ内で厳命されている。

 

 という可能性が考えられるが、たぶん「1」でしょう。

 ちなみに三菱グループでは三菱自動車も「folly」とされているようだが、内容はよく知らない。

 

 それにしても上記の「三菱の愚行:Folly of Mitsubishi」、今でも英字メディアに時々でてきてこれはちょっと気の毒だ。投資を決めてから31年くらい、損失表面化からたぶん25年くらい。当時の新入社員はもう50代であり、サラリーマン人生の半分以上で海外メディアから「愚行」「愚行」と引き合いにされる会社に勤めているわけだ。

 英字新聞を読んでいる人間だったら、これはめげる。

 知らないなら知らないで、めげずに済むのであればその方が幸せかも知れない。

 

 三菱地所のこの話と並べて引き合いに出されるバブル時の日本企業の愚行が「ぺブルビーチのゴルフ場」で、これは新興不動産会社に貸し込んだ長期信用銀行の問題だ。

 長期信用銀行の馬鹿さっぷり(folly)は私も当時担当していた業務で一端に触れていた。長期信用銀行の馬鹿さ加減はレベルが桁違いであり三菱地所がこの問題で比較されるような話ではない。「馬鹿(folly)」といってもレベルはいろいろあるので、並べて書くのはどうなんだろう。

 

 さらに私の見立てでは、三菱地所のあの投資はその後、損失が当初発表よりもはるかに小さくなっていると思う。(さすがに黒にはなっていないかもしれないが)

 

 三菱地所さんへ提案する挽回策としてこんなのはどうだろうか。

 

 「198*年に投資したロックフェラーセンターへの投資損益を**年後に総括した。

  結果、『(例)200億円の赤字』だった。

  これと同額の200億円をアメリカ社会に寄付したい。

  応募要領は次のとおりだ・・・・」

 

 これで三菱地所は三菱グループの他社さんへ、海外でも普通にお話しできるようになると思う。

 いかがでしょうか。

 

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