ウォール・ストリート・ジャーナル、やっと「在宅勤務礼賛」から方向修正か?

 私はウォール・ストリート・ジャーナルの愛読者であり、それは同紙がクォリティが高い新聞だと思っているからだ。

 しかし時々、これはちょっとね・・ということもある。今回の「在宅勤務礼賛」の話なんかがそれだ。昔の記事では東日本大震災の現地ルポなんかが、あきらかに行き過ぎだった。

 

 新型肺炎の初期、英字新聞各紙には「在宅勤務礼賛」の記事があふれかえっていた。「在宅勤務のコツをメディアの記者が教えます」とか、「どのメーカーのどの椅子が在宅勤務に適していてその値段は」というような話まで特集された。

 想像するに各記者にとって「在宅勤務」というテーマは在宅で記事を書くには、(ネタがあるうちは)絶好のテーマだったのだろう。

 

 私は「在宅勤務歴・7年目」だが、「若い記者が在宅勤務の(当面の)喜びや自由さに浸っているんだろうな」だろうなと思った。今はもう他のメディアでは「在宅勤務は本当に当初言われていたほどメリットだらけなのだろうか」という論調の記事の方が多い。

 

 そのよう中で、ウォール・ストリート・ジャーナルにだけ「在宅勤務礼賛」、あるいはそれを示唆する記事が多く残っていた。

 具体的には日本販売5月29日付け、「在宅勤務を続けたがっている人の方が多い」という記事なんかがそれだ。こんな数字に基づいてこんな記事を書く記者も記者、それを載せる編集局も編集局で、往生際が悪く見える。しかしこの記事を最後にここ6日間、同紙にはもう「在宅勤務礼賛」の記事は載っていない。

 多少、遅かったけれど、まあ許容範囲の遅れだ。

 

 関係ないが、私が不動産関連記事について目を通している英米の6メディアを短評する。

(英系)

・フィナンシャル・タイムズ:とにかくすごい新聞だ。日本語では成立しえないメディアである。

・BBC:うまい例えではないのだが「象さん」というイメージ。分析・論説は滅多にみない。

・ロイター:「通信社」以上のメディアなのでもう少し読み込みたいのだが、費用が別途かかる。

(米系)

・ウォール・ストリート・ジャーナル:一言で言うと「マッチョ」。アジア版をぜひ復活してほしい。

・ニューヨーク・タイムズ:国際紙として一流なのだが、どうでもいい超ローカルな記事も多い。

・ブルームバーグ:非常に多くの情報を私に提供してくれる。洞察力や分析力は私には不明だ。

 

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