ソフトバンクの第二ビジョンファンド、思惑ほどは資金は集まっていない?

 ソフトバンクの第二号ビジョンファンド・1080億$(11.5兆円)の投資家集めは順調には進んでいないようだ。「出資はするが額は未合意」とする会社がある上、ソフトバンクが従業員に200億$(2.1兆円)も貸し付けて出資をさせる。これは足りない分の穴埋めだろう。

 

 9月に上場予定のWeWorkが上場目論見書を公表、非常に厳しい批判が沸き上がった。フィッチは同社を大きく格下げ、モルガンスタンレーはIPO幹事業務を引き受けない。ニューマンCEOに対する批判は特に激しく、WeWorkの新規上場は失敗する可能性がある。

 

 アメリカの小売会社の二極化は依然として続いている。世界で800店を展開するフォーエバー21は破産法申請する方向だが、モールの有力テナントがまた一社、倒産するわけでサイモンプロパティやブルックフィールド(GGP)等にとっては頭が痛い。

 

 ホテル会社が自社の「ブランド数」を増やしている。客の好みの多様化、オンライン旅行代理店との取引でブランド数が多い方が有利、自社サイトに顧客を誘い込むのにも有利といった面の他、立ち上げたブランドはフランチャイズの関係で潰すのが面倒という面もある。

 

 アメリカでは住宅市場の不振が続いていたが、やっと明るいニュースが散見するようになった。住宅ローン金利はかなり低下しており、今回は効果が表れるのに時間がかかった。

 

 AIが不動産ビジネスに応用可能となる新たな分野として、住宅の鑑定評価書の作成が上がった。アメリカでは不動産鑑定評価書は多くの住宅取引の際の必要書類で鑑定士が作成すると375-900$(4.0-9.5万円)かかるが、コンピュータ作成の物は59$(6300円)で済む。

 

 コストコは倉庫型の店舗で低価格で販売しているが、上海で開いた中国進出第一号店に大量の客が殺到、店の外にも溢れて大騒ぎとなった。米中摩擦問題も価格の安さに勝てない。中国では過去にアマゾン、テスコ、カルフールと言った小売り大手が失敗している。

 

 ロンドンの住宅市場は長く続いた下落が底打ちしたかと読める報と、依然として下落しているという報が混じっている。しかしつい最近までは「価格下落」の話しかなかったわけで、その意味で市場は好転し始めているように思われる。

 

 アメリカで短期金利が長期金利を上回るという「逆イールド」が広がり、凶兆として懸念されている。ヨーロッパでは金利低下が一段と進み、「マイナス金利」に陥る国が増えたが、これは出口が見えないゼロ金利というブラックホール状態だ。「日本化」とも呼ばれている。収益力の悪化等からヨーロッパの銀行株は2012年のユーロ国際危機時並みに下落した。

 

 ニューヨーク、パリといった世界の巨大大都市の中心部で人口が減少するという現象が起きている。ロンドンでも人口流出、北京や上海では政策的に人口減少が図られている。「富裕だが小家族」か「独身者」が中心部に多く住む事が主因で、住宅価格の高騰とも関連しているようだ。東京では世界の傾向とは逆に、中心部では人口が増加していると思われる。

 

***ジャパン・トランスナショナル 坪田 清***

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