極度の経営不振のシアーズ、「最終章へ」と言われ始める

★「ジャパン・トランスナショナル」検索改善用ブログです。

 

 小生は1953年生まれ、若いころの「シアーズ(シアーズ・ローバック)」と言えば、アメリカ人の生活の豊かさを象徴する存在だった。

 

 何かの時に見た同社の「通販カタログ」はとてつもなく分厚く、全ページカラーで、あきれるほどあるゆるものが売られていたのを、うっすらと記憶している。

 

 そのシアーズ、ここ数年の赤字額の累計は100億$!!(「10億$」ではありません。)

 不動産多数とブランド多数を切り売りして資金繰りを合わせてきた。

 この9年間で閉鎖した店舗数、大小とりまぜ合計約2500店! 

 売上は5年で40%減少!

 

 百貨店ビジネスで最も重視される指標は「同一店舗の売上高の対前年比増減率」だ。

 ここ2年、全百貨店の指標でもこれはマイナスになっているのだが、なかでもシアーズの落ち込みは突出して大きい。

 不振店舗を閉鎖した上で(=除外した上で)、このザマなのだ。

 

 納入業者の間でもシアーズへの警戒感は広がっている。

 先払いか納入時払いでないと納入しないとか、一回の納入ロットを小さくするとか・・

 店によっては在庫が痛ましいほど、悲惨な状態のようだ。

 百貨店、売る物がなければお客様は買いようがない。

 

 シアーズへのレクイエム用として同社の歴史を書いておこう。

 

 1886年 前身となる時計店をミネアポリスで開業

 ?  年  カタログ通販を始める

 1920年 初の実店舗を出店

 戦後   家庭用品を中心にアメリカで傑出した小売り会社となる。

      ベビーブームに乗る

 1973年 世界一の超高層ビル・シアーズタワー竣工

 ?  年 ファンドのESLインベストメンツ傘下に入る。

      当初は一時好調だったが、やがて不動産とブランドの切り売り生活に

     陥る。

 

 英字紙によれば諸悪の根源は、CEOのランパート氏が金融業出身者で、小売業経営に無知だった事のようだ。

 

 ただでさえ実店舗へ吹くアゲインストの風の中、小売りの素人がトップでは勝てる訳もない。

 

<グローバル不動産経済レクチャラー/海外不動産セミナー>