定年後は「一日二善」で腹八分目

 私が昨年まで勤めていた会社は、いわば「食物連鎖」の頂点にいた。

 

 だから、きほん、スケジュールはこっちが「こうする」と決めると、関わり合いのある業者さん等の皆さんは、それにしたがって自分の都合を調整してくれていた。

 

 そうだ、「調整してくれていた」のだ。

 

 一日に平均、アポ3件くらいはこなしていたと思う。

 

 でもそれは実は「食物連鎖」の頂点にいたからゆえに可能な効率さだったのだ。

 

 商法番外編で言う「定年設立」であるジャパン・トランスナショナルは零細企業だ。したがってスケジュールはハイハイとお相手さまの言うとおりにしなくてはいけない。

 

 「アポ一日3件」なんて、こちらの都合よくスケジュールが組めるはずがない。

 

 今週は5件、用事があって、全部別の日だった。

 

 一日一善ならぬ、一日一件。
 そういえば、最近は「一日一善」ってことば、めったに聞かなくなった。
 昔は年がら年中、おまじないのように言われていたものだ。

 

 ねんのため書いておくと、「一日一回、『善行』を積む」という意味だ。
 「一日一膳」と間違えて、ダイエットの話かなにかとかん違いしてはいけない。

 

 それでも、がんばって一日にアポを詰めれるだけ詰めてみた。
 来週の木曜は、夜の飲み会も含めて、一日に「5件」もアポで固めることができた。

 

 ひさびさに戻ってきた、サラリーマン時代の時間感覚。

 

 でももうだめだ。定年後のこの9ヶ月で、からだも精神もすっかりなまった。

 

 「一日5件」なんてスケジュールでがんばっていたら、たおれそうだ。

 

 午前1件、午後1件。「一日二善」を目標にしよう。