グローバル不動産経済研究会:レジメ

 イギリスの住宅市場への見方が難しい。ロックダウンによる需要の積み上がり、住宅市場刺激の為の「スタンプ税(注:印紙税、不動産取得税に類似)の時限的非課税」で総論としては現在は活況にあるのだが、これは長続きしない、あるいは急落するという見方がある。...
 ホテル大手の仏アコーが英インターコンの買収を検討している。現時点での時価総額はインターコンの方が大きく、買収が実現しても両社の融和は手間取る可能性がある。...
 サイモン・プロパティのモール内のデパートの退去跡に、アマゾンの物流倉庫が入居する。また同社はモール内で経営不振に陥ったテナント会社多数を買収した結果、自社のモール内に自社の子会社の店舗400店が入居する状態になった。...
〇イギリスでは新型肺炎により「グロサリーのオンライン販売」が急増したが、各社とも利益が付いてこない。自宅まで配達する場合、オンラインで注文した品物を店舗に設けられた専用の受け渡し場で受け取る場合とも配送費がかなりかかるのに、「配送無料」として広まってしまっている事による所が大きい。...
 ホテルについて、「ステイケーション」という言葉がよく出てくる。「stay+vacation」で、週末の二泊三日とか、あるいは一週間程度の連泊をして「余暇を過ごすように宿泊する」の事を指している。忙しく動き回らない小旅行のようだ。...
 在宅勤務に飽きた(疲れた)人たちの多くがオフィス勤務に戻りたがっている一方、オフィスのフル再開には大変な時間がかかりそうだ。ニューヨークの金融業従事者35万人のうち12月末までにオフィスに戻れるのは僅か29%という予測もある。...
 オフィスの将来像の議論が盛んで、主な論点は「在宅勤務の有効性と弊害」「郊外部・遠隔地へのオフィス分散」「社会的距離とシフト勤務制」「オープンオフィスの功罪」等だ。まだ結論を出すのは難しく、小刻みな選択を積み重ねる事になりそうだ。大手ではフェイスブックCEOが大胆な在宅勤務計画を述べているが、先見的という見方と短慮だという見方がある。...
「オフィス」の形の今後だが、英バークレイズが進めている「サテライトオフィス化」は、三井不動産の「ワークスタイリング」事業がこれに近似している。「リモート協業」も有効だ。「コワーキング(シェアド・オフィス)」は社会的距離に反する。IT会社の中には、イミグレ等が面倒な事もあり75ヵ国のスタッフがリモートワークを実施している会社もある。...
 世界的に賃料減額の嵐である。 ・商業施設は店舗閉鎖で売り上げがない。・賃貸住宅居住者で失業が多発している。・住宅ローンの債務者が失業してローンが払えない=MBS価格の下落。・オフィステナントまで家賃下げ要求。 ・ホテルは全面閉鎖をしている所が多いが、家主との賃料の問題は表面化していない。...
〇アメリカのモーゲージ関連の金融市場で混乱が起きている。給料をもらえない人間がモーゲージを払えなくなる為、不安からMBS(モーゲージ証券)の価格が下落、これで発生した追加証拠金にモーゲージリートやモーゲージ投資ファンドが対応できない。裏付けられた物件がモールが主であるCMBS(商業不動産モーゲージ証券)でも混乱が起きている。...

さらに表示する