マイアミやハンプトンズのホテル室料が50%強、上昇

 今年のバケーション旅行の過熱から、一部のリゾート地でホテルが法外な値上がりをしている。特に激しいのはマイアミの55.64%上昇、ハンプトンズが51.01%上昇だ。アメリカ全体ではホテル料金は2019年比で15%上昇となっている。

 

 航空会社と空港がかなりひどい混乱に陥っている。新型肺炎に起因する点が多いが、「飛行機を飛ばす」ことがいかに複雑で込み入った話なのかを思い知った。

 

(以上の件は、末尾記載を参照)

 

 特にニューヨークで「オフィス復帰」について、会社側(経営者型)と従業員側との間で駆け引きが行われている。会社側はオフィスにおい「対人」で業務をする事の重要性を主張、一方、従業員側は在宅勤務でも生産性は高かったと主張している。

 

 ある大物経営者は「景気後退入りして人員リストラが始まりそうになれば、『オフィスで働く必要はない』と主張している人も含めて、どっとオフィス復帰が始まると見ている。経営者側の弱みは過去に何回か「オフィス復帰の日」を宣言しながら、先延ばしとなった事。

 

 アメリカの住宅市場はいよいよ本格的に悪化をし始め、新築住宅着工や既存住宅販売が減少、大手の不動産仲介会社も人員削減に入った。しかしサブプライム危機後に金融市場を大混乱に陥れた「ローンの担保割れ問題」は、住宅の値上がりにより今のところ懸念はない。

 

 価格帯上位5%のラグジュアリーな住宅の販売が下落している。株式市場の下落でこの価格帯を買える人の数が減っている可能性がある。

 

 新型肺炎明けとともに消費者が購入する物が一変し、ターゲットやウォルマート、メイシーズは売れ筋を外した大量の在庫に苦しんでいる。大幅値引きやオフプライス店(格安店)への在庫の売却により売上高は維持できているのだが、利益が全くついてこない。

 

 かねてから危ぶまれていたメガモールのアメリカン・ドリームではデベのトリプルファイブが8億$(1080億円)の地方債の利払いが完全にはできず、デフォルトとなった。

 

 プロロジスが同業のデューク・リアルティを全株株式で260億$(3.5兆円)で買収した。アマゾンが建てすぎから物流倉庫を減らすという動きとは反対に、プロロジスは強気だ。

 

 カナダの住宅市場は「好調」からあっという間に下落・転落を始めた。

 オーストラリアでも住宅価格下落が見込まれている。

 

安邦保険を引き継いだ大家保険は3ホテルを合計10億$(1350億円)で売る方向だ。大家保険は安邦保険が購入したラグジュアリーホテル15物件を一括して韓国のミレアアセットに売却しようとしていたが、所有権の真正さが問題となり取引が流れていた。

 

中国の不動産デベ株の暴落で、不動産王各氏の保有資産の合計は650億$(8.8兆円)もの減少となった。最も大きく減ったのは恒大集団の許家印氏で、次は大連万達の王健林氏。

 

クレディスイスがかなり危険な状況にある。同行には危機やスキャンダルが立て続けに続き、その中にはソフトバンクが深く絡んでいるものもある。ソフトバンクについても「信用が瀬戸際にある」とするメディアがあり、同社への日本人の感じ方とかなり異なっている。

 

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ホテル:レジャー旅行復活で今年の夏のホテル料金はとんでもない高額さに 

(BB 2022.5.25・水)

 パームビーチ、ハワイ、サンタバーバラ等の新型肺炎にかかりにくいエリアは大人気だ。マイアミの需要は2019年のレベルを超え、宿泊料は55.1%上昇している。アメリカのホテル全体が2019年比で15%の上昇をしているとされる。ホテルは従前インフレに見合った値上げを出来ずにいたが、一気に取り返そうとしている。

ホテル:ハンプトンズとマイアミで特に著しい室料の値上げ 

(BB 2022.6.7・火)

 急激な旅行需要で、ホテルの4-5月の値段は3年前に比べて平均33%もしている。7つの主要エリアで4-5つ星ホテルの平均価格を調べると、マイアミが55.64%上昇、ハンプトンズが51.01%上昇と特に大きかった。

旅行:アメリカで始まった夏の旅行シーズンと高いガソリン価格 

(WSJE 2022.6.1・水)

 メモリアルデイ(5/30)の週末に自動車で旅行するアメリカ人の数は前年比4.5%増加の3490万人と予想されているが、ガソリン価格の高騰で頭が痛い。トヨタRAV4クラスを満タンにすると以前は45$(6080円)だったが今は80$(1.1万円)もかかる。ガソリン価格が最も高いのはカリフォルニアで、次いでハワイ、ネバダだ。

旅行:旅行復活の中でオンライン旅行サイト会社株が下落 

(FTE 2022.6.3・金)

 この夏は数百万人が旅行するという見込みなのに、エクスペディア株は年初から27%下落、ブッキングは4%下落をしている。両社とも売上は伸びているのだが、販売費や広告宣伝費が大きく第1四半期においてはエクスペディアが売上げの53%、ブッキングでは40-43%もある。グーグルの旅行業進出も効いている。

旅行:経営的に苦しむ所が多いアメリカの地方航空会社 

(WSJE 2022.6.7・火)

 アメリカの地方都市は小規模な地方航空会社の存在に頼っている所が多いが、その地方航空会社に経営難の所が多い。これらの多くは大手航空会社の名前で飛んでいて、全米のフライト数の40%以上は地方航空会社なのだ。パイロット不足や古い機体の入れ替え、燃料高等で便数が大幅に減り、各都市は不便になっている。

旅行:フライトのエアラインによるキャンセルが全米で増加 

(BB 2022.6.18・土)

 アメリカではメモリアルディ(5/30)から夏の旅行シーズン入りする。しかしフライトのキャンセルはこの二日間、1700件、1100件強となった。キャンセルが多いのはシャーロット、ニューヨーク、ワシントンだ。空港のTSA通過数は前年比22%だが、新型肺炎前比では13%減少。利益率が高いビジネス客は依然として戻りが鈍い。

旅行:フライトのキャンセルと遅延、連休の週末中に増加 

(WSJE 2022.6.20・月)

 父の日とその前後でアメリカの航空会社のフライトの5000本以上がキャンセルされた。天候とスタッフ及び管制官不足が原因。新型肺炎の規制が解けて、今年の夏は記録的な量の旅行が見込まれている。

旅行:世界中の空港が長蛇の列とフライトのキャンセルに苦闘 

(WSJE 2022.6.21・火)

 フライトのキャンセル数は前年比16%で先日は国内便は大混乱だった。いよいよアメリカ人の海外旅行が始まる。世界の空港も混乱していて、ロンドンは着陸便数を減らす様にとし、アムステルダムは出発時間の4時間前以前に来ない様にとされ、スイスやオーストラリアでも混乱が起きている。秋も混乱が予想されている。