マンハッタンの「コンド」「コアップ」「タウンハウス」とは

 日本へ投資する海外勢ならたぶん知っているであろう、マンハッタンの南半分にある住宅の各種をご紹介します。マンハッタンの面積は山の手線の内側とほぼ同じですが、北半分は重要ではありません。ここでは自己居住目的の住宅を念頭とします。

 

 「コンド(コンドミニアム)」は日本の分譲マンションと似ています。価格も築年数も広さもピンキリで、2019年1月にはニューヨーク、ビリオネア―ズローの「220セントラルパーク・サウス」で2.38億$(307.0億円)という成約がありました。これは超ド級で、超高層マンション内の4つの階を連結した24,000 sqft(square feet)の広さの住戸でした。一般に2,000万$(25.8億円)以上がウルトラ・ラグジュアリーと呼ばれ、かなりの頻度で売買されています。

 

 「コアップ」は物理的にはコンドと大差がないのですが、法律的には大きく違います。各コアップ専用の会社や組合がその建物全体を所有し、住民はコアップの出資持分を取得する事で入居します。コアップではたいていボード(役員会・管理組合)による入居審査があります。新築の分譲マンションは、今は全てコンドで、コアップはありません。以前、日本の国連代表用だったアッパーイーストサイドのコアップ「740パーク・アベニュー」のデュープレクス・18室が2022年2月に6,000万$(77.4億円)で売りに出されました。

 

 同じようなコンドとコアップがあった場合にどちらの方が価格が高いかは、ケースバイケースです。コアップの役員会が居住者に何かとうるさい事を嫌いコンドの方がいいという人もいれば、そのうるささゆえの安心感からコアップの方を評価する人もいます。そもそも個別性による違いの方がはるかに重要です。

 

 「タウンハウス」はテラスハウスを5-7階建てにした連棟式住宅です。各人の所有部分は1階から垂直方向へ上に伸びるのですが、各住戸の横幅はたいてい8m程度しかありません。これらを長屋のように横に連ねるので、全体ではそこそこ大きく重厚な建物となります。各戸専用の狭小エレベータが各住戸内の奥にあります。日本の江戸時代に竣工したという物件の取引もよくあります。タウンハウスは築年は古いのですが、概して立地が良い物が多く、2022年2月にアッパーイーストサイドの7階建て、13,000 sqft超の物件が5,600万$(72.2億円)で成約しました。

 

 「一戸建て豪邸」はかなり珍しい存在です。石造りのこのような豪邸が昔はマンハッタンで多数建てられていたのですが高層住宅や商業建物に建て替えられ、今あるのはその生き残りです。現在はほとんどがショールーム、画廊、オフィス等として使われています。2022年の4月に1890年代末築造のアッパーウエストサイドの12,000 sqft前後で8寝室ある物件が6,500万$(83.9億円)で売りに出ました。

 

 なおアメリカ全体で見ると最も多い住宅は「一戸建ての木造住宅」で、これらは2×4工法で建てられています。日本では三井ホームがこの工法の最大手です。しかしマンハッタンの少なくとも南半分では、このような木造の一戸建て住宅は見かけたことはありません。

(ドル=129円 2022年5月15日近辺のレート)

                                                                            ジャパン・トランスナショナル 代表 坪田 清

三井不動産リアルティ㈱発行

 

REALTY-news Vol.85   5月 2022年 掲載