ブラックストーン、新タイプのビークル「BREIT」で不動産投資を拡大

 ブラックストーンの不動産向け投資に加速が付いているが、有力な原因は非取引リートである「BREIT」にあるようだ。従前のファンド投資では契約上、投資期間が10年程度である(実際は乗り換えられる事も多い)が、BREITはリートなので期間に限りがない。

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 5月の頭、タイムズ・スクエアを中心としたマンハッタンに、突然、人出が戻ってきた。

 

 超高層・超高額マンションが林立するマンハッタンで、その最新版である111 W 57thが竣工した。価格は7最低75$(10.0億円)から最上階のトリプレクスの6600$(85.1億円)だ。しかしこれらの超高額マンション群には実際に住む人は少なく、批判が起きている。

 

 中古戸建のフリッピング事業ではジローが大量の戸数を高く仕入れて大失敗して昨年11月に撤退を表明したが、同業のフリッピング最大手のオープンドアの株価は先日、一日で14%下落した。投資家はオープンドアを含めて「iBuying」ビジネスを評価していない。

 

 安邦保険が2015年にヒルトンから巨額で買収したマンハッタンのウォルドルフ・アストリアは、ホテル375室とコンド375戸へのコンバージョンの工事中だが、当初2021年中とされていた竣工予定が2024年までずれ込みそうだ。コンドの売れ行きは不調だ。

 

 プロロジスが同業のデューク・リアルティに買収オファーを出したが拒否され、237$(3.1兆円)に引き上げて、オファーを再度出したが即日、拒否された。

 

 ディズニー社はフロリダ州でLTGBと性教育に関する議論へ深入りし、州知事から同社がディズニーワールドで得ている特権をはく奪された。特権はく奪による損害額は年数十億円に上るとも言われる。同社とフロリダ州の共和党の関係にもひび割れが生じた。

 

 上海は「金融ハブ都市」になろうと長年努力してきたが、新型肺炎問題で一挙にその夢がついえた。「市民が食べ物に事欠くような都市が国際金融都市になれる筈がない」のだ。

 

 ソフトバンクのビジョンファンドは昨今のIT株の売り浴びせもあって、4年半でリターンは40%しかない。同期間のS&P50072%、ナスダックは100%の上昇をしていて、見劣りがする。(注:ソフトバンクの3月期の赤字は1.7兆円と発表された)

 

 中国各所のロックダウンで、経済の鈍化が鮮明になっている。完成在庫が倉庫に積み上がっているのにトラックの手配ができず、物流がネックになっている。上海港はマヒ状態で、積み荷が回される寧波はもっとマヒ状態だ。世界の巨大多国籍企業にも影響が出る見込み。

 

 ヨットはオリガルヒにとって蓄財なり資産隠蔽のツールだ。世界の80m級以上の超大型ヨット153隻のうち、ロシア人が2割を所有している。制裁による差し押さえから逃げるため、オリガルヒ達のヨットは世界の各所の海を逃げ回っている。

 

 ロンドンのウエストエンドの大規模家主会社、キャピタル&カウンティーズ(Capco)とシャフツベリーが合併する。両社に共通する大株主はノルウエーのSWFだ。

 

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ブラックストーン:新しいタイプの不動産投資ビークルの確立を狙う 

(FTE 2022.4.23・土)

 ブラックストーンは「プライベート・キャピタル産業」を株式市場に代替させようとしている。同社は先日学生寮リート大手を130$(1.68兆円)で買収、同社傘下のリートの「BREIT」で630$(8.13兆円)を調達している。上場リートとは異なり値動きが荒くなく、毎月価格を提示して出資者が株をファンドに売却できるようにする。

ブラックストーン、資産額が数100$(数億円)程度の小金持ちの資金を狙う 

(BB 2022.3.19・土)

 ブラックストーンは個人による投資を狙ったプライベート・エクィティ・ファンド、コード名「BXPE」を開発中だ。従来のファンドは何年も引き出せない形で機関投資家から大口の資金を受け入れていたが、BPXEでは小金持ちが年に複数回、投資口を売り買いできる様にする。非取引リートのBREITの資産規模は540$(6.6兆円)

 

ブラックストーン:郊外型オフィス・PSビジネスパークスを76$(9800億円)で買収

(WSJE 2022.4.25・月)

 ブラックストーンは郊外型オフィスとビジネスパークが主力のリート、PSビジネスパークスを負債込みで76$(9800億円)で買収する。96施設を保有しテナント数は4900社で、カリフォルニアやマイアミ、テキサス、北バージニアに保有物件が多い。住宅800戸も所有している。大株主は26%を持つパブリック・ストレッジ。

 

ブラックストーン:学生寮運営の最大手を128$(1.64兆円)で買収へ 

(BB 2022.4.19・火)

 ブラックストーンのBREITは学生寮運営・開発で最大手のアメリカン・キャンパスを株価に14%上乗せして買収する。同社は116施設で11.19万ベッドを所有している。BREIT2017年に立ち上げられたが、今年は賃貸アパート会社を58$(7420億円)で、昨年は戸建て住宅レンタル会社を60$(7680億円)で買収している。

 

ビル:ブラックストーン、コロラド州ボルダーへ初進出 

(WSJE 2022.4.4・月)

 

 ブラックストーン傘下のバイオメド・リアルティはボルダーで22階建てのビルを6$(768億円)で購入、2$(256億円)を追加投資予定だ。同社は生命科学とIT企業向けビル投資を行っている。従来型のビルの将来需要が流動的な中で、これらの研究室スペースを持つビルではリモートワークが難しい企業からの需要が高い。