恒大集団、香港上場親会社とCEOを生贄にして国内金融秩序の維持を図る方向?

 今後の恒大集団の処理方法の見通しを、ブルームバーグが的確に指摘している。

 

Evergrande and Its Mainland Property Unit Split. That's Bad News for Investors - Bloomberg

 

 香港上場の親会社・恒大集団と、本土でマンション事業を担当していて我々が通常、恒大集団と認識してきたHengda(漢字で書くと「恒大」)を分離して処理し、香港上場の恒大集団の方には負債返済や配当はしないつもりのようだ。

 言い換えれば、香港上場の恒大集団への株式投資や社債購入をした外人投資家は、全損となるのではないだろうか。

 今回の許家印CEOHengda辞任は、確かにそう読める。 

 

<<恒大集団はHNAよりもひどい話になる可能性がある>>

 (ブルームバーグ 2021.8.17・水)

 恒大集団の本土での旗艦子会社Hengdaはピンイン表記で「恒大」だが、「Hengda」と「恒大集団」は別々な存在になりそうだ。香港上場の親会社、「恒大集団」はケイマン設立であり、Hengdaは同社から離れた「凧」となる。さらに中国の「社印」制度では社印の押印をできる人間が王様だ。類似の問題はソフトバンクのアーム中国やHNA、紫光集団で起きた。恒大集団の今後の推移は外人投資家にとってHNA以上に悪い話となりかねない。

 

<<恒大集団:許家印CEOが旗艦的不動産子会社の会長を辞任>>

 (ウォールストリート・ジャーナル電子版 2021.8.17・火)

 恒大集団の許家印CEOは同社の中国本土における旗艦的不動産子会社、Hengdaの会長を辞任した。このニュースで香港上場の恒大集団株は3.8%、社債は40.3¢に下落した。Hengdaは本土でマンションを建設、去年は恒大集団の売上げの90%弱を担っている。恒大集団はHengdaの本土での上場を試みていたが、撤回していた。

 

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