ニューヨーク:ホテル新築規制と馬車禁止と丸の内のランチ難民

 アメリカ人がする議論にもだいぶ慣れてきた。今回はニューヨークで成立間近な、「ホテルの新築規制」から入ろう。

 現職のデブラシオ市長は市内の全てのエリアでホテルの新築の際に、「ニューヨークの市議会の承認」を必要としようとしている。これは新たに「空港」「ヘリパッド」「野球場」「ドライブイン型映画シアター」を建設しようとする際の手続きに準ずるものだそうだ。

 

 なんでデブラシオ市長が「ホテル建設」と「野球場の建設」を同一に扱おうとするのか、なんと市長は「自分に政治献金をしてくれた所へ有利となる政策をとる傾向がある」という見方がある。

 

 今回の話ではデブラシオ市長と「ホテル業労働者組合」との関係が疑われている。ニューヨークの新築ホテルでは従業員はこの組合に加入していないケースが殆どで、ホテルが新築されればされるほど、「ホテル業労働者組合」の影響力は相対的に低下する。

 影響力の低下を恐れた組合が、普段から献金をしているデブラシオ市長に「ホテル建築規制」という無理スジを仕掛けたのではないかというわけだ。

 

 この話の中に「(ニューヨークでの)馬車の運行を禁止を求める団体」の話が出てくる。何のことやらと調べると、セントラルパーク内で馬車の営業がされている。メイン・ターゲットは家族連れや「カップルのプロポーズ」の場としての利用のようなのだが、よくわかりません。

 

 「このような馬車は動物愛護に反する」と金持ち主体の団体が主張している。デブラシオ市長は馬車の会社の方から献金をもらっているか、あるいは単にこの会社が市に上納金を納めている。金持ちの団体は、市長を動物愛護かなんだか知らないが、数年前から訴えている。

 どうでも良い気がするが、裁判所も仕事が増えて気の毒なのは毎度の事だ。ちなみにこの馬車、値段は30分で120$(1.4万円)とあり、京都で乗った人力車はこの半額だった。車夫は馬の半分だ。

 

 よくわからなかったのだが馬車に「ミッドタウン」というコースもあるようで、本当だとしたらこれはすごい。ミッドタウンは「丸の内・大手町」という人がいるがとんでもない間違いだ。丸の内・大手町はスロットマシーンを超高層ビルのサイズに拡大してたくさん並べただけ。「大災害に備えて食糧備蓄をしています」という話とは裏腹に、今回の非常事態宣言前夜では昼めしがどこでも食べれず・調達もできない人たちが続出した。人間が「人間らしく食事をする」という事ができなかったわけで、ここで働く人たちに供されるのは「食事」というより「エサ」なのだろう。

 

 丸の内・大手町の人間にとっては日本橋の特に室町界隈のランチ事情は垂涎のまとらしく、女の子連れでタクシーで乗り付ける連中がよくいた。

 人気店にはそれなりの独特の(行列等の)ルールがあるというのが世界中の常識、どこでも当たり前なのに、彼らはそういう事にはまったく無頓着だった。こんなことも知らないという人間はどんなに国際的な仕事をしているつもりでも、「田舎者」だ。

 

 馬車がミッドタウンを走るのなら意味があるが、ランチが「エサ」という位置づけである丸の内や大手町を走ってプロポーズしても、しょうがないでしょう。

 

「グローバル不動産経済研究会」資料会員募集 月額1万円(+税)

問い合わせ ジャパン・トランスナショナル f-ree@88.netyou.jp

 

(参考)日本橋室町地区でキャパが比較的大きくてとてつもなくおいしい店・2店厳選

利休庵 https://tabelog.com/tokyo/A1302/A130202/13000315/ お勧め:納豆そば、利休定食

天松  https://tabelog.com/tokyo/A1302/A130202/13020875/ お勧め:花 (1階席がお勧め)