BBCが伝えるイギリスの「返品文化」は異常だし、アメリカはもっと異常なはず

 BBCがイギリスでアパレルをオンラインで買った時の返品の数が急増しているという話を報じている。(2021年3月22日頃付け)

 https://www.bbc.com/news/explainers-56103106

 

 衣料品の場合、リアル店舗での購入の返品率が10%なのに比べて、オンライン通販の返品率は25%もある。その上、オンライン通販がロックダウンのおかげで前年比33%増加なのだ。日本人の感覚では「リアル店舗の返品率10%」でも十分に高いと思う。

 今まで、「買って、試して、返品する」というのは若者の話だったのだが、新型肺炎でこれが一挙に年寄りにまで広まってしまった。

 

 アメリカの返品文化は大昔(たぶん、1960年代とか70年代以前)からだが、その「なんでも返してよい」という売り方、よくこんなことで商売が成り立つものだと不思議なほどだった。イギリスではそこまで返品文化はひどくないと聞いていたのだが、新型肺炎で様子が変わっているようだ。

 

 今回のBBCに登場する女性はサイズがどっちか判断しかねる時には両方のサイズとも注文してあった方だけ残して返品するらしく、「今日は返品を5箱、郵便局に持って行き、帰宅するともっと届いていた。」という状態だ。

 アメリカではオンラインで買う場合は、服は「とりあえず5~6着を購入して、気に入った1着以外は全部返す」人もいると聞いていたが、イギリスでも同様のようだ。

 新型肺炎下のロックダウンでオンライン通販が増え、2020年の世界での返品数は63%増加したと見る人がいる。

 

 この様な中で誰が儲けているかと考えると、作っている方でも売っている方(オンライン通販業者)でもなく、商品や返品を運んで往復している運送業者も忙しいだけで儲かっていなさそうだ。たぶん「倉庫」とガソリンスタンドが儲かっているのではないだろうか。

 

 返品されたものをサプライチェーンの中に戻すのは、入荷した新品をサプライチェーンに入れるよりもはるかに手間がかかるという。それは確かにそうだろう。

 

 アメリカでの笑話には、本来はリアルな店舗で営業していて返品処理慣れしていなかったのにオンライン通販に参画した会社の話がある。

 注文を受け支払いを受けた。配達した。ところが「返品したい」と言われ、返品されると置くスペースが足りない上に、返品処理にもコストがかかる。従って購入者に「代金は返金するので、返品はしなくてよい」という例が出ている。

 実際、家具なんかの通販では返品なんてされたら置くところがあるわけがない。

 

 要するに、いったんは払っていただきますが、差し引き「ただで差し上げます」ということだ。

 

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