不運続きのモール、アメリカンドリームがついに・・

 マンハッタンに至近の超巨大複合モールのアメリカン・ドリームは10月からオープンしていた。今のところ100店舗弱と予定の約半分が営業している。開発したカナダのトリプルファイブは他の超巨大モールでも苦戦しており、来月末のデット返済が注目される状態。

 

 三井不動産が東京ドームに1205億円でTOBをかけた。完全取得後、20%分を読売新聞社に譲渡する。東京ドームに対しては香港の活動家株主オアシス・インベストメントが10%弱の株を取得し、現状は最有効利用ではないとして経営陣3人の交代ほかを要求していた。

 

 みずほ銀行がニューヨーク、ロンドンに続き、シンガポールでも在宅勤務等を進めてオフィス床の削減をする。ドイツ銀行、シティ、スタンダードチャータード銀行も同様な事を図っている。銀行業はいまや低収益ビジネスであり一等地利用の新陳代謝は自然の理だろう。

 

 AirbnbがIPO申請をした。300億$(3.15兆円)規模の新規上場が目前である。

 

 マンハッタンではオフィスの面積を縮小したテナント会社が出す安い賃料でのサブリースが増加、オフィスの供給過剰とともに賃料への影響が懸念される。オフィスのリースは長期リースが多い為、既存のテナントからの家賃支払いには問題は起きていないが懸念は残る。

 

 「在宅勤務・リモートワーク」は当初の礼賛よりも今は弊害が多いという指摘の方がはるかに多い。「ワーケーション」はまともな話として取り上げた記事はない。一方、インドでは「女性の在宅勤務」が急速に広がっており、むしろアメリカよりもヒントとなる。

 

 ブラックフライデイがヨーロッパに広がったのは比較的最近だが、新型肺炎とオンライン通販の拡大で今年は去年とは様変わりだ。実店舗の売上げが急減しオンライン売上げが急増した。しかし人ごみによる感染を懸念し、そもそも当日、実店舗を閉めた所もある。

 

 新型肺炎下でビッグボックス型の大型店が客を集めている。ウォルマートやターゲットでは「ワン・ストップ・ショッピング」が可能で、感染リスクが低い。DIYのホームデポもビッグボックスだが、こちらは自宅に大型のDIYを試みようという人が増え、伸びている。

 

 サイモン・プロパティが実施するかどうかでもめていた、Aクラスのモールばかりを保有するトーブマンセンターの買収は、買収価格を18%切り下げて実施する。買収分は80%。

 

 アメリカの住宅市場は販売市場が好調な一方、賃貸市場は軟調だ。販売市場をより詳細に見ると、富裕層が住むエリアほど住宅価格の上昇が著しい。マンハッタンの10月の住宅賃貸はリース契約数は増加したが、これは賃料下落とコンセッションの拡大の為だ。

 

 恒大集団は危機を乗り越えた筈が、新規上場した子会社の株価が親会社への不安から振るわない。それ以上に問題なのは(昔から繰り返し取り沙汰される)中国の債務問題だ。当局はシャドーバンキングを縮小させようとしており、この為、恒大集団から不安が消えない。

 

 イギリスのホテル大手ホクストンとフランスのアコーがブティックホテル部門の統合する模様だ。新ホテル会社は73棟でスタートする。「ブティックホテル」は「ライフスタイルホテル」と呼ばれる事も多く、宿泊売上げよりも飲食等の売上げの方が大きいホテルを指す。

 

 イギリスでは戸建て住宅の価格の上昇の方がマンションより大きい状態だ。マンションを買って後に戸建てへ買い替えるという「イギリス版住宅すごろく」が成り立たなくなった。

 

 ヨーロッパ最大の商業不動産(モール)会社であるウニベイル=ロダムコ=ウエストフィールドでは株主総会で経営者側の主張が否決された。活動家株主側の経営陣と入れ替わる。

 

 

***ジャパン・トランスナショナル 坪田 清***

  http://www.japan-transnational.com/

 

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