ブルームバーグが11分34秒にまとめた「ビジョンファンド」(付記:WeWorkの良いニュース?)

 私が目を通している英字紙6紙の中ではソフトバンクに最も厳しいのはフィナンシャル・タイムズ、次がウォールストリート・ジャーナルとブルームバーグだ。

 

 そのブルームバーグがビジョンファンドの話を11分34秒のビデオにまとめて、ホームページにアップしている。以下がそのURLだ。但し、有料の読者向けのコンテンツかも知れない。

 

 https://www.bloomberg.com/news/videos/2020-07-08/the-troubled-saga-of-masayoshi-son-s-100-billion-fund-video

 

 

 タイトルは「問題化した孫正義氏の1000億$(10.7兆円)のファンド」で、画面の文章から一部割愛したものが下記だ。

 

<<The Troubled Saga of Masayoshi Son's $100 Billion Fund>>

SoftBank’s Vision Fund has been impossible to ignore since its inception, pumping billions into tech companies like WeWork and Uber. Now, a string of losses and the pandemic have put the fund deeply in the red. Bloomberg journalists break down the controversial investment strategies that

have led to this critical moment for the fund.

 

 ソフトバンクはこの3月期は超大赤字の決算だったわけだが、大赤字の決算としてまとめたことで最もほっとしているのはソフトバンク担当の会計監査法人だろう。

 

 私みたいな人間でも同社の決算は粉飾かどうかの境目を歩いてきており、監査法人がよくいつまでもこんな決算を許し続けているなと思っていた。屁理屈がみえすいていたのだ。

この3月期を逃せば、同社の赤字はもっとひどいことになっていただろう。

 

 ところで、深夜(日本時間12日夜)、WeWorkに関するグッドニュースを知った。

 孫CEOから依頼を受けて同社の再建を委ねられている会長のクラウレ氏がフィナンシャル・タイムズとのインタビューで、「予定より一年早く、2021年末に黒字化する(キャッシュフローが黒字になる?)」という見通しを述べている。

 予定より早期の黒字化の最大の原因は(たぶんオフィスでのソーシャル・ディスタンス遵守のために床が不足しているのだろう)、WeWorkの床をサテライトに使うという需要のようだ。

 

 2020年6月15日の当ブログで私は「WeWork、奇跡のばん回劇は起こるか?」という話を書いたが、おおむねこの内容があたったようだ。

 WeWorkの床をサテライト、あるいは暫定使用に使う流れは今後も続くと思う。

 

 アメリカでは「上場」という手続きへの感じがかなり日本と違う。ソフトバンクはWeWorkの簿価について、同社の評価額を30億$(3200億円)として大幅に落としてある。ちんけな上場でも「上場は上場」、孫CEOは日本国内では顔が立つというものだ。

 

 しかし海外メディアからは、「孫CEOご自身が2019年初頭に付けていたWeWorkの評価額、470億$(5兆円)はどうなったのですか?」と聞かれるのがおちとなるだろう。