そのまんま東の限界と橋下徹の鋭さとビートたけしの天才ぶり

 いい気分になってダイニングで酒を飲んでいたら、カミさんにいいかげんに自分の部屋へ戻れと言われてしまい、酔っぱらったままこれを書いている。

 勢いに乗じて無責任に最近見たテレビからの感想を書きたい。

 

 そのまんま東氏、厚労省の女性技官との新型肺炎対策に関するディベートで無残な三連敗を喫した。彼の論はまったく空疎だったことが露呈したわけだが、これはこれでそれでいい。彼の役目は「視聴率稼ぎ」なのだ。

 橋本徹氏は問題の初期にはテレビでの露出があったがその後、出演を控えていたように思う。専門性に気が付いたのだろうが、これは大変な洞察力だ。前から思っていたのだが、彼は日本の将来をゆだねるリスクを取ってもよい一人である可能性がある。

 ビートたけしは自分の言葉でしゃべる時は相変わらず天才的で、すごいと思う。しかし与えられたセリフをしゃべると、急に精彩がなくなる。そんなものは無視して自分の言葉をしゃべればいいと思う。お金がないとは聞くが、彼の感性を聞きたいものだ。

 

 新型肺炎問題の初期、病院の元検査技師だった知人からYouTubeのリンクが送られてきた。アメリカの検査技師がいわゆる「検査業務」がいかに大変かを合唱したものだった。その中の一節に「PCRって何の略語かご存じですか?」という一節があった。

 テレビでコメンテーターやキャスターが「PCR、PCR」とキャンキャン騒いでいた時期で、私は反省してWebで調べてみた。その手順の複雑さから、たちどころにテレビの方々が何も調べずにただ「PCR検査とキャンキャン」騒いでいた事が分かった。

 でもこういう芸人さんたちの貢献を見逃してはいけない事は後述する。

 

 感染の広がりの初期、アメリカでは検査等の要員養成と感染把握のアプリ開発に力を入れていたという。日本ではダイアモンド・プリンセス号での感染状況のデータを調べあげ、これを各地の保健所へ展開、クラスター潰しに全力をあげていた。

 結果は明らかで、アメリカでは要員養成等に時間を取られているうちに感染が爆発、日本ではアナログで地道な方法だが保健所のおかげで感染の抑え込みに成功した。

 我々は芸人さんたちが「PCR検査」とキャンキャン騒いでいてくれたことに感謝しなくてはいけない。政治が芸人さんたちからの問題提起への対応に追われている間、感染症のほんちゃんの専門家が主導して問題に適切な対処ができたのだ。

 

 もっとも極めてゆるい対策の割に日本では死亡者が少なかった点については全然、異なる見方もある。日本に侵入したのは致死性が低く変異した株だという可能性だ。たしかに日本と一部の東南アジア諸国は異常に死亡率が低い。

 

 新型肺炎の第二波が到来する時があれば、また「キャンキャン」騒ぐ芸人・コメンテーターたちが出てくると思う。前述のようにこれはこれで良いのだろうと願う。しかし私は厚生労働省、感染を専門とする学者、保健所、医師・看護婦等の直接医療に従事する方々の方を応援する。

 

「グローバル不動産経済研究会」資料会員募集 月額1万円(+税)

問い合わせ ジャパン・トランスナショナル f-ree@88.netyou.jp