ウォールストリート・ジャーナルの記事が本当なら、ソフトバンクの携帯電話事業免許は取り消すべきだ

 あまりにも重要な記事なので、今後、日本や世界のメディアでも取り上げられるだろう。

 ソフトバンクのビジョンファンドのトップ、ミスラ氏に関する醜聞をウォールストリート・ジャーナルがかなり詳しく報じている(日本での販売2020年2月28日号)。

 

 イタリア人を一人かませることで、ミスラ氏は一連の黒幕が自分であることを隠しおおせたものと思っていたようだが、たぶんこのイタリア人が報酬(分け前)に不満を持ったためだろう、記事に書ける確実な話として今回、ウォールストリート・ジャーナルにしっぽをつかまれたわけだ。

 

 記事は長文で、いつ、どこで、誰がという点も十分、詳細に書かれていて検証可能な箇所も多い。

 

 いろんな話が書いてあるのだが、例えばソフトバンクの前トップ、アローラ氏を追い落とすためにミスラ氏は先のイタリア人に金を払って、彼はアローラ氏をハニートラップにかけて写真をとろうとした(アローラ氏はこの罠にはまらなかった)、およびアローラ氏の個人の銀行口座のデータと電子メールのスクリーンショットをマスコミにばらまき、アローラ氏を貶める事を実行した(こちらは実際にばら撒いたようだ)。

 

 えー? 携帯電話が主業の会社で、こんなのありか??

 携帯電話会社の最も主要なグループ会社のトップが、金を払って個人の電子メールをばら撒かせたという話ですよ?

 これをやったのでは、「通信の秘密」も「プライバシー」もへったくれもないではないか??

 先日の従業員による情報持ち出しだって相当なもんだと思っていたが、今度の話はビジョンファンドのトップだ。

 

 携帯電話はインフラ事業だ。

 ソフトバンクはインフラ事業を任せるにはやはりあまりにもいろいろな問題が多すぎる。

 ミスラ氏が自分は隠れながら金を払って電子メールをばら撒かせるというのは、東京ガスのトップが誰かに都市ガスに毒ガスを入れさせたり、水道局の局長が闇夜にまぎれて誰かに浄水場に毒を混ぜさせるのと似たようなものだ。

 ソフトバンクは携帯電話事業免許を与えるべき体質の会社ではない。ここまでくるとこれは会社の体質の問題で、救いようがないのだ。免許の取り消しができないのなら、更新をしなければよい。

 今回のウォールストリート・ジャーナルの記事では、孫CEOがほとんど出てこない。これだけは救いだ。この件で彼までもが腐っていたら、手の施しようがないからである。