PayPayでやっと解けた謎の一つはどうでもいい事だった

 近所でもPayPayが使える店が増え、便利なのですっかりユーザーになった。銀行に行く頻度がめっきり減って、先日はATMの前でカードの暗証番号がすぐに出てこず、あせった。

 

 しばらくの間、不思議に思っていたのはスーパーのOKだ。私がPayPayのスマホ画面を見せるとレジの方はどなたも必ず後ろに大きくのけぞるのだ。

 変なマニュアルだなと思っていたのだがこの間、謎が解けた。

 OKでは金額を入力した段階で一度レジの方に見せ、決済してからもう一度見せるように要求される。他の店と違い念を入れて二回確認している。それで私は「ちゃんと見せなきゃ」と思って無意識に顔の近くにスマホを突き出していたのだ。

 OKのレジは老眼のシニアの方が多く、スマホが近すぎると字が読めない。それでのけぞって見ようとしているのだった。早く言ってくれればいいのに。

 

 それにしてもPayPayの大判振る舞いもからくりが不思議だ。いくつか想像してみた。

 

 広告やメディアでの印象から受けるほどの還元額ではない? 例えば今回の40%還元であるが、単価が安い店ばかりで還元額の上限もある。PayPayの負担は大した事はなさそうなのだ。確かに「40%還元」はウソではない。しかし以前、ソフトバンクが「携帯半額」と宣伝、日本政府から誤解を呼ぶ表示だとして怒られた事件があったが、これはどうもソフトバンク系各社共通のスピリット、社風のようだ。だまされないようにしなくては。

 

 次に3万円分のチャージで1ヶ月もつとすると、PayPayには平均1.5万円が滞留する。ユーザーを1000万人?とすると1500億円だ。これは太い。

 

 それからPayPayを使わなくなってしまってそのままにする使い残し、これはうまくいけばPayPayの丸儲けになりそうだ。200万人で5000円とすると100億円。まあまあ太い。

 

 昭和のある時代まで、三越の商品券は付け届けによく使われた。三越の貸借対照表には未使用商品券残高が負債の部にあり、結構な額だったので驚いた事がある。

 商品券をもらった方も困っていた。しかるべき人に贈る最低額を500万円とし、これが10社以上から盆暮れに集まりそれが10年も積もると最低でも10億円になる。三越での買い物に使うには絶望的な巨額さだ。金券ショップで換金すると、今度は税務署がやって来かねない。贈与税を払っていないからだ。

 せいぜい外車をディーラーではなく三越から買ったりするわけだが、それでも焼け石に水だ。建売別荘を担当していたころ、三越の外商さんから「別荘を売らせてくれ、客はたくさん持っているのです」とせがまれたのだが、このころはまだ若く、世の中のこういう仕組みは知らなかった。

 しかしこうして蓄積した商品券はたいてい押入れの奥にしまわれて何年か後にご遺族が発見し、なんだか訳が分からずまた押入れにしまわれてしまう。つまり永遠に三越の丸儲けになる。

 

 うまく言えないのだが、PayPayで起きる事はこの三越の商品券で起きた事と通じるものがあるような気がする。

 

 これからはプライバシーをばらまきながらPayPayを使うわけだが、自分の年齢を考えれば、まあどうでもいいか。

  

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