「ブルックフィールド」

 投資会社のブルックフィールドはカナダ本拠で、親会社がブルック・フィールド・アセットマネジメント、その不動産投資部門がブルックフィールド・プロパティ・パートナーズだ。

 

 ブルックフィールドは不動産保有・運営額で世界一位だったこともあるが、2017年にファンドのブラックストーンに抜かれた。この時点のブルックフィールドの不動産資産額は1410億$(15.4兆円)だった。

 

 最近の大型取引をあげてみよう。

 2018年3月にアメリカのSCリート第二位のGGPを92.5億$(1.0兆円)で取得して完全子会社化した。GGPの旧称はジェネラル・グロウス・パートナーズ、2009年に倒産した時にブルックフィールドが株式34%分を取得して救済、残りの株をこの取引で買った。

 この時の買収価格は思われていたよりもかなり低くモール一般が不調な中で衝撃だった。

 

 ブルックフィールドはもともと多数のモールを所有しており、GGPと合併させるものと思われていたのだが、別会社としたままだ。

 

 トランプ大統領の娘のイバンカ女史の夫、ジャレッド・クシュナー上級顧問の一族の不動産会社はクシュナー社という。マンハッタンのビル再開発、666フィフスは高値づかみで取得したこともあり、開発手法や資金調達などをめぐり一騒動となった。2018年8月、ブルックフィールドが99年リースの賃料11億$(1200億円)を一括で前払いすることで合意し財務的な安定を得、プロジェクトは前進する見込みがついた。

 

 ここに至るまでにはカタールや中国の安邦保険もクシュナー社の交渉相手として登場した。クシュナー上級顧問はホワイトハウスの要職にあり、国益と個人的利益の相反の可能性という問題が大議論になった。クシュナー上級顧問は持分を信託としていたのだが、反トランプ派が圧倒的なニューヨーカーは、それだけでは許さない。後にクシュナー社は何をやっても利益相反と非難されるとして、ニューヨークでの活動を縮小している。

 

 ブルックフィールドは2018年12月に創業100年という老舗リートのフォーレスト・シティをデット込み114億$(1.2兆円)で買収した。同社は賃貸マンション1.85万戸とオフィス床28万坪を運営している。間接保有分を含めて20%を保有している創業家一族の中の主要メンバーが反対していたため話が長引いていたが、最終的には買収で決着した。

 

                        ジャパン・トランスナショナル 坪田 清

 

週刊住宅 2019年11月11日号掲載