三菱地所、ロックフェラーの名を冠したままアメリカで事業拡大

 三菱地所は傘下の因縁が深い会社、ロックフェラー・グループ社によりマンハッタンで37階建ての分譲マンション、「ローズヒル」を開発する。平均販売価格は290万$(3.13億円)を予定。ロックフェラー・グループ社にはロックフェラー一族の人間はいない。

 三菱地所が「ロックフェラー・グループ」という社名の会社をアメリカでの展開の核に位置付ける事には、過去の経緯から考えると疑問がある。三菱地所は最終的には同社をロックフェラーの本家へ「社名代こみ」で高値で買い取らせることを狙っているのかも知れない。

 

 ソフトバンクの1000億$(10.8兆円)のビジョンファンドはほぼ投資を完了、第二ビジョンファンドに注目が集まっている。一号ファンドに巨額出資したサウジとアブダビは二号ファンドにも出資をしないと一号ファンドの価値が毀損しかねないのではと見られている。

 

 ニューヨーク州が広い範囲に及ぶ新州法を制定した。最も大きな点は家賃規制の在り方の変更で、長期間かけて不動産業界が勝ち取ってきた「家賃安定化住宅」に関する家賃引き上げの際の「抜け道」は塞がれてしまった。

 

 ニューヨークでは賃貸マンションのリースの際に1ヶ月程度のフリーレント期間を与えるといった各種のインセンティブが盛んだったが、マンハッタンではこのようなインセンティブを与えるケースが一年前の38%から現在は34%に減少した。

 

 オンライン販売の「配達合戦」で、ウォルマートは注文の品物を家の中に入り込み冷蔵庫の中に入れるというサービスを実験的に行っている。注文者はライブカメラで監視できる。

 

 ハドソンヤードではマンション第1号の15ハドソンのクロージングが始まったが、このマンションについての売れ行きは明らかにされていない。またオフィス・コンドの30ハドソンについて、独アライアンツが49%持ち分を3.84億$(415億円)で購入した。

 

 中国の安邦保険が手掛けているウォルドルフ・アストリアのコンバージョンでは、年内にマンション部分が販売される見込み。販売単価は3500$/sqft(1345万円/坪)で、ホテル部分とともに2021年の竣工を予定しているが、不確定要素がある模様。

 

 日本には新手の賃貸アパートとして進出しているインドのITホテル会社・オヨは世界で70万軒の加盟を得ている。これは同業第2位のウィンダムホテルズの倍だ。ホテル・フランチャイズとしてのオヨの特徴は加盟が容易なこと。

 

 中国の地方都市の住宅市場は「過熱が行き過ぎている」という話と、「売れ行きが悪い」という話が混在している。

 

 「大湾区」の誕生で、香港人は大陸側の住宅に投資し、大陸側の投資家は香港の住宅を購入している。35㎡(10.6坪)の住宅は香港では80万$(8640万円)するが、ティア3の仏山や肇慶では31.5万元(495万円)しかしない。

 

 ロンドンの住宅市場について、明るい話が混じるようになった。アメリカ人富豪による購入が相次いでいる事や、売却希望価格の下げ止まりといった事項だ。特にウエストミンスター、チェルシー、メイフェア、ケンジントンといった高級住宅地では上昇気味である。

 

 イギリスでは小売り用不動産家賃が急落している。一方、オフィスの賃貸市場は好調で、これはWeWorkその他のサービスオフィスがオフィス床の限界的需要を吸い上げているためという可能性がある。

 

 

***ジャパン・トランスナショナル 坪田 清***

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