ソニーが見限ったソニー不動産とその社名変更

 ソニー不動産がSREホールディングスへと社名変更する。これは親会社ソニーが子会社ソニー不動産を見限ったものと見て良いだろう。

 以前、このブログで「ソニー不動産がもつのは2020年3月期まで」と書いたことがあるが、ものの見事に当たってしまった。

 

 (過去のブログ) 

 「ソニー不動産」は今年もかなりの赤字か?→経常赤字4.27億円で確定

 

 ニュースリリースでは不動産仲介業に加えて今後はIT系のビジネスにも注力するとあった。少なくとも当面、「IT系のビジネス」なんかでは食えるはずがない。おまけに仲介業では今後、「SRE」の素性を納得してもらうという大きなハンディが加わる。会社のキャッシュが尽きるのはもう時間の問題だろう。

 

 「ソニー不動産」として子会社清算損を出したら、話題性から考えるとマスコミ、アナリスト、株主等々への対応がかなり大変だ。しかし「SRE」の清算損ならいくつかある投資の失敗の中の一つという説明で済むかもしれない。IT事業へのシフトをやたらに強調しているのも、「不動産業での失敗」ではなく「IT事業での失敗」と説明するための準備と思える。

 

 ソニー不動産はソニーの新規事業提案でおメガネにかなって異分野進出となったそうだが、こういう試みを私は笑えない。不動産会社勤務時代に社内で新規事業コンテストがあって、非常にいい線まで行った事があったのだ。

 私の提案は今で言う「不動産の証券化」でこの時は事業化には至らなかった。後年、不動産特定事業法やリートの成立過程を見ていると、私の考えていたようなアプローチでは絶対に「不動産の証券化」は成功しなかったと思ったものだ。「君は先見の明があった」などとほめてくださった方々もいたがとんでもない、金融業は所詮は異業種だった。

 

 ソニー不動産の去年の決算公告は、かなり不自然だ。税務繰り損を時効前に有効に使っているわけだが、綺麗に決まりすぎている。期中で1-3億円前後の転売益を得ていたように見えるのだが、これがいかにも疑わしい。もしかすると親会社ソニー主導のグループぐるみの脱税(租税回避行為)として、税務署に厳しくやられているかもしれない。

 

 もし私がソニーならソニーらしく、「レインズのマップを画像認識して作成したデジタルベースの情報に住宅購入希望者が自分で検索をかけれるシステム」を作りたいですね。

 目的は日本版MLSなり、オンライン不動産検索サイトの日本版ジローやトゥルーリアを作ることにある。

 これは革命を起こせますよ。

 

 音楽が好きだったため、大学生くらいまで私のまわりはソニー製品だらけだった。ソニーは私にとって昔の恋人であり、ソニーのおかげでとても豊かな青春を送れた。 

 そのお礼にこの程度の話ならただで教えてあげる。

 

(2021.2.14追記)

ソニーが見過ごしている不動産業での「おとり」的な行為