バンクーバーでの住宅価格高騰にはマネーロンダリングの影響があった。

〇バンクーバーで起きた住宅価格高騰にはマネーロンダリング資金の影響があった。カナダ西部の同市では世界の犯罪シンジケーションがこれを行い、不動産市場に流れ込んだ額は昨年だけでも50億C$(4050億円)に上った。一言で言うとバンクーバーは「緩い」のだ。

 

〇イギリスでも当局の調査により少なくとも600万£(8.4億円)のマネーロンダリングにより取得された資産が見つかった。うち不動産は11件だ。当局は多くの国に分散した100以上の銀行口座について8年分の資金の流れを追跡した。

 

〇ウーバーにはソフトバンクが大型出資しているが、新規上場は初値がIPO価格を△6.7%下回るという不調なスタートを切った。一方、WeWorkは昨年末にIPO申請していたが、ウーバー同様に巨額赤字を出しながらの新規上場となる見込みで、懸念が持たれる。あらためてWeWorkには「470億$(5.17兆円)の企業価値はあるのか?」との疑問が出された。

 

〇ホテル業界と民泊業界が混戦気味だ。ホテル最大手のマリオットはAirbnbのフィールドである民泊に進出、100市場で2000戸のラグジュアリーな物件で「ホームズ&ビラズ」を展開、「マリオット」という大手ブランドの後ろ盾がある信頼感を売りにしている。

 

〇ウィン・リゾーツについて、マサチューセッツ州のカジノ規制当局は同社のカジノライセンスを取り消さないと決定した。問題となっていたカジノは「アンコール・ボストン・ハーバー」という名称のカジノ+ホテル761室で、事業費は26億$(2860億円)。6月に開業する。

 

〇アメリカの国債市場で3月に発生して約一週間続いた「逆イールド」が、またごく短期間発生した。逆イールドは景気後退の前触れとして現れる事が多い、凶兆である。

 

〇ニューヨークのフィフス・アベニューで、家賃が下落している。フィフス・アベニューの中心地区の家賃はこの第1四半期、2017年第1四半期比で11%下落した。空室率も2018年第1四半期の17.4%から25%へ上昇し、大手の旗艦店の閉店も相次いでいる。

 

〇買った後に短期間で売り抜ける「フリッピング(買取り転売)」という投資手法がアメリカの住宅市場で広がっているが、これを支えているのはジロー、オープンドア、オファーパッドという不動産テク会社だ。これらの会社は「iBuying(住宅即時買取り)」も行っている。

 

〇アメリカのオフィスビルのトイレ事情に変化が起きている。ラグジュアリーなホテルに見られるようなトイレを設置する動きだ。トイレは共用部にあり、通常、ビル所有会社はあまりお金をかけない。今はトイレが新規テナント獲得の際の決め手となる場合がある。

 

〇香港の住宅市場は昨年8月にピークを打ち、当分下落局面が続くものと思われていたが、住宅市場はこの3ヵ月連続して上昇し、ピークからの下落幅の約10%分を挽回した。新築住宅販売、中古住宅販売ともに件数も伸びている。

 

〇エマージング諸国の不動産市場の中に、下落の可能性があるところが増え、タイ、ドバイ、トルコ、ブラジルが問題を抱えている。タイは新築マンションの売れ残りが積み重なり、インドネシアでは住宅販売件数が減少している。一方、中国やポーランドは好調だ

 

〇アコー、ヒルトン、ラディソン他の世界のホテル会社のアフリカ進出が加速している。アコーは現在140ヶ所を、ヒルトンは40か所を、ラディソンは100ヶ所を運営している。

 

***ジャパン・トランスナショナル 坪田 清***

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