アメリカのオフィス賃料は2018年第1-3月期には2.1%上昇に縮小した。

〇アメリカのオフィス賃料は2016-17年には年3.9%上昇したが、2018年第1-3月期には2.1%上昇に縮小した。主たる要因は供給過剰だ。なおマンハッタンのハドソンヤード開発は、オフィス、マンションとも、例外的に堅調な模様だが、市場が崩れる初期には流れに反して一時的に好調さを維持する物件が現れる事が日本のバブル崩壊時にあった。 

 

〇マンハッタンの住宅市場は下落中だが、ある業者のデータによれば昨年第4四半期にはマンションの成約価格のメディアンが、100万$(1.08億円)の節目を割り込んだ。100万$(1.08億円)を超したのは2015年だ。新築ラグジュアリーマンションが特に供給過剰だ。

 

〇アメリカのホリデーシーズン商戦は実店舗でもほぼ好調だったと報じられていたが、実はこれは出だしだけだった事が明らかになる。次号で報告するが12月中盤以降は不調でこれが発表されると実店舗会社株は大幅下落に見舞われる事になる。

 

〇ソフトバンクによるビジョンファンドでのWeWorkへの大型追加出資について、ビジョンファンドへの大口出資者であるサウジとアブダビが待ったをかけた。両国とも他で既に多額の不動産投資を実施しており、ソフトバンクにはIT企業への目利きを期待している。

 

〇ソフトバンクがWeWorkへの追加出資の額を、160億$(1.73兆円)から20億$(2160億円)へと大きく切り下げた。サウジとアブダビは今回は出資を行わない。WeWorkの1-9月の赤字は12億$(1300億円)で赤字激増のペースが止まらない。同社の前途は険しくなった。

 

〇シアーズについて、会長兼元CEOのランパート氏のビッド、「425店・44億$(4750億円)」は「50億$」に改定されたが、なお清算して資金分配した方が債権者には有利なようだ。無担保債権者達はランパート氏が行ってきた数々の利益相反取引を将来も追求したい意向だ。

 

〇HNAや大連万達等の中国勢は当局からの監視の下、かなりの海外所在不動産を処分してきたが、いまだ多額の不動産を所有している。主なものにニューヨークの245パークアベニュー(HNA)やウォルドルフ・アストリア(安邦保険)等がある。

 

〇中国は2016年半ば以降、住宅市場抑制策を強化してきたが米中貿易摩擦他の要因で景気が下落、この抑制策をどうするか注目されている。中央政府は市場抑制策を維持するとしているが一部の地方都市では緩和を始めている。

 

〇中国では地方都市でも途方もないスケールで大規模住宅開発を行っている例がある。都市部には空き家・売れ残りが6500万戸あると言われ、5戸に1戸が空き家という事になる。

 

〇シドニーの33階建てのマンションでひび割れが生じ、一時、大騒ぎとなった。プレキャスト・コンクリート製の外壁でひび割れが起きたもので、構造上の問題はなさそうだ。デベ、ゼネコン、ともにオーストラリアでは知られた会社であり、「業界」への不信感が生じている。

 

(ジャパン・トランスナショナル 代表 坪田 清 f-ree@88.netyou.jp)