日本への上陸を狙っているプライベート・エクィティにはブラックストーン、KKR、英ペルミラがある

 日本への上陸を狙っているプライベート・エクィティにはブラックストーン、KKR、英ペルミラがあり、大企業の非中核的子会社の買収を狙っている。日本の伝統的企業は非中核的子会社の売却・切り離しに対して、往年のような抵抗感をもう持っていないと見ている。

 不動産もたぶん対象で、場合によっては上場不動産会社の丸ごと買収の可能性もある。

 

 世界のオフィス賃料(オフィスコスト)について、ランキングが2つ載った。

片方では1.香港(セントラル)、2.ロンドン(ウエストエンド)、3.北京(金融地区)

もう片方では1.香港、2.ニューヨーク(ミッドタウン)、3.ロンドン(ウエストエンド)だった。

東京(丸の内~大手町)は前者では8位、後者では10位だった。

 

 「ブティック・ホテル」というのは室数が20-100室と小規模だが趣味性が高く宿泊料も高い高級ホテルを言う。世界9都市でこれを展開しているエースホテルが京都へ進出する予定。日本では婚礼大手のテイクアンドギブ・ニーズが昨年渋谷で開業した先行例がある。

 

 WeWorkについてはかねてからフィナンシャル・タイムズがケチを付けてきたが、今回は1ページ全面を使って非常に大々的にケチを付けた。同紙のような超有力経済紙にこのように評される事は、WeWorkにとってはかなりの打撃なのではないかと思われる。

 同社の時価は200億$(2.2兆円)には遠く及ばず、その8分の1、参入障壁は低く巨額赤字の継続で来年末までには手元資金を食いつぶす他、書きたい放題の事を書かれている。

 

 マンハッタンでは最高級クラスのマンションから市場が崩れ、徐々に下位の市場に波及し、とうとう一般向け価格の物件まで売れずに在庫であふれている。分譲されたマンション(コンド)が賃貸用として市場に出されたケースは、昨年販売の住戸の10.7%にも達した。

 

 売値が1.35億$(150億円)という超高級建売住宅がロサンジェルスで出た。ちなみに史上最高額の建売住宅(建売シャトー)はパリ郊外で2015年に成約した2.75億€(358億円)。

 

 HNA(海航集団)について、中国政府が資金調達の支援をする事を明らかにした。これは従前から、見て取れた動きである。HNAはマンハッタンの超高層ビルの支配持ち分をSLグリーンに売る。ラディソン・ホテルも売却の方向。今後は主業の旅行業に注力する。

なおHNAの共同会長がフランスで写真撮影中に崖から転落、事故死した。

 

 中国では住宅の現物市場はまだ好調なのだが、不動産株と不動産会社のボンドには変調の兆しが見られる。

 

 中国ではここ数年、モールが盛大に建設されてきたが、モールデベ大手の大連万達や万科企業のモールは物件によっては空室率が20%を超す状態となっている。モール不調の原因はモールの供給過多とオンライン通販による圧迫である。

 

 ウォールストリート・ジャーナルでパリの不動産の特集がされた。延長124マイル(198km)、予定駅数68駅の地下鉄新線、グランド・パリ・エクスプレスの工事が進んでいる。2024-30年にかけて開業する。パリの不動産はブレグジットの受け皿でもあり、好調。

 

         (ジャパン・トランスナショナル 代表 坪田 清 f-ree@88.netyou.jp)