アメリカで実店舗会社の中に復調を遂げている所が出ている。

 アメリカで実店舗会社の中に復調を遂げている所が出ている。メイシーズ、ターゲット、ナイキなどだ。一方、JCペニーやノードストロームは依然として悪い。ウォルマートはイギリス子会社のアズダの売却とは反対に、インドのオンライン通販大手のフリップカートを150億$(1.64兆円)で買収した。米スーパー大手のクロガーはオンライン・グロサリー会社とタイアップする。

  

 思うに、オンライン通販が急激に伸びた原因は、それが小売の各業態の中でITの活用が一番簡単だったからなのではないだろうか。顔認証、AI、ビッグデータ等、実店舗会社各社がITの活用法をマスターしていけば、オンライン通販の突出した伸びは揺らぐだろう。

 

 

 クシュナー社が保有するマンハッタンの666フィフスビルはカナダ本拠のブルックフィールドが買収する事になりそうだ。ブルックフィールドの最大の出資者のカタールがどの程度、今回の話を了解しているのか不明。クシュナー社は大統領上級顧問のジェアド・クシュナー氏のファミリー企業であり、場合によってはカタールとの利益相反の問題になる。

ボルナドはビルのオフィス部分の持ち分は売却、小売商業床部分は保有を続ける。

 

 

 「プラザ合意」で有名な超高級ホテル、プラザホテルの売却の話が二転、三転している。サウジの富豪、アルワリード氏ほかのグループは6億$(650億円)での第一拒否権(優先売却請求権)を行使したが、所有者のインドのサハラグループがこれに応じていない。同ホテルは2008年に過半を高級マンションにコンバージョンし、現在は282室で営業されている。

 

 

 WeWorkの7.02億$(765億円)のジャンクボンドは額面1$に対して95.25-96¢にまで値下がりした。フィナンシャル・タイムズだけではなく、投資家も同社のビジネスモデルに対して不審を抱いている模様。

 

 

 ニューヨークでラグジュアリーなマンションの値下がりが止まらない。最近の成約価格は全て売り出し価格以下だ。データを分析すると、アメリカでは現在、市場にある期間が長いほど、成約価格の下落額が大きいことが分かる。ロサンジェルス郊外の高級住宅地、ベルエアでは市場にある日数が一日長くなるごとに、4.4万$(480万円)安くなる勘定だ。

 

 

 サンフランシスコで高さ1070フィート(326m)のビル、「セールスフォースビル」が竣工した。同市で一番であることは勿論、アメリカの西半分でも最も背が高い。デベはボストンプロパティーズとハインズ。

 

 

 安邦保険の呉会長に対して禁固18年という判決が下りた。同氏の鄧小平や太子党につながる人脈は意味を持たなかった。安邦保険が手掛けるニューヨークのウォルドルフ・アストリアの高級マンションへのコンバージョンには今後15億$(1640億円)が必要となるが、先行きは不透明だ。同社が買収したラグジュラリーホテルのポートフォリオ、ストラテジック・ホテルは混乱状態にあるという。

 

 

 バンコックのマンションは、アセアンの中でも割安感がある。中国勢は香港のスタジオタイプ(ワンルーム・マンション)の物より安いと、即決で買っている。

 

 

 シドニーの超巨大複合開発、バランガルーは大成功の中で第一フェーズをオープンさせた。3本のオフィス床・全体で17.5エーカー(1.97万坪)は順調に埋まり、マンションは5年前の第一期・159戸の販売時には3時間半で完売した。なおシドニーでは現在ライトレール(路面電車)の拡幅の為に各所で交通の混乱が起きている。

 

         (ジャパン・トランスナショナル 代表 坪田 清 f-ree@88.netyou.jp)