マンハッタンのハドソン・ヤード開発に設置される、超巨大オブジェ

 マンハッタンで進行中の 超大規模再開発、「ハドソン・ヤード」のランドマークとなる巨大な構築物の完成予想図が9月下旬に公表されました。正式名称は後日決まりますがとりあえず「ベッセル」と呼ばれていて、絵から判断すると8階建てか9階建てのビルくらいの高さがあります。「花瓶」のような形をハチの巣状の構造で組み立てており、赤銅色に仕上げられた骨組み沿い上に歩行者が内部を上下する階段があります。

 

 ベッセルの建設費は単体で1.5億ドル(156億円)、周辺の整備費も入れると2.0億ドル(208億円)です。ビルの建設費の相場を坪150万円とすると、単体の費用だけで1万坪のビルが建ちます。日本の都市開発ではちょっと見られない規模のシロモノなのです。将来の維持管理費が心配になりますが、特大規模の開発に伴う施設なのでなんとかなるのでしょう。

 

 「ハドソン・ヤード」はアメリカ最大規模の商業開発です。場所はビジネスの中心地であるミッドタウンの西のはずれで、元はハドソン川に面した大きな鉄道のヤード(操車場)だったのですが、2005年にニューヨーク市が用途指定の変更を行い、全体で約45ブロックという広大な再開発事業地区となりました。

 

 45ブロック中、約7ブロックを占める開発をしているのが、このベッセルの絵を発表した不動産デベ大手のリレイティッドです。この7ブロック部分は図抜けた大きさの為、この部分だけを指して「ハドソン・ヤード」と呼ぶことも非常に多く、若干注意を要します。三井不動産はこの7ブロックの中の1本のビルについて、開発に参画しています。

 

 リレイティッドの他にもいくつかのデベがオフィスビル開発を手掛けているのですが、伝えられている物については順調な案件も、そうでない案件もあります。現在の写真を見ると一部はすでに竣工し、他にもいろいろな建物の工事が進んでいることが分かります。

 

 将来的にはミッドタウンのオフィスの重心は大きく西に傾く可能性があります。

(ドル=104円 2016年10月26日近辺のレート)

 

              ジャパン・トランスナショナル 代表 坪田 清

三井不動産リアルティ㈱発行

REALTY real-news Vol.18 11月号 2016年 掲載