1億ドル(101億円)を超す値段で現在、市場に出ている住宅は「23戸」

 数十億円を超す住宅、いわゆる「ウルトラ・ラグジュアリー」と呼ばれるセグメントの売れ行きは一時に比べて各所でかなり鈍っているのですが、それでも現在1億ドル(101億円)を超す売り物件は世界に23戸あるとブルームバーグが報じています。

 

 以前、このメルマガでご紹介した「4億ドル(404億円)のモナコのマンション」は、今は3億ドル(303億円)で市場に出ています。縦に5フロアを連結したマンションです。

 

 フランスのコートダジュールには4.55億ドル(460億円)の値札が付いた物件があります。

 

 マイケル・ジャクソンがカリフォルニアに残した湖4カ所を含めた土地面積2,698エーカー(329万坪)の大邸宅は1億ドル(101億円)とされていますが、これもなかなか買い手が付きません。

 

 クリスティーズのリストには「5億ドル(505億円)」というロサンジェルスの物件があるのですが、ブルームバーグはこの物件についてはリスティングの確認が取れなかったとしています。

 

 なお1億ドル(101億円)を超す物件は、市場に出回っている価格、満額で売れるケースは皆無です。

 

 一方、比較的最近、実際に取引があった超高額住宅をピックアップすると、超高層・超高額マンションのさきがけとして有名なニューヨークのワン57内のデュープレクスが2014年の暮れに1億47万ドル(101億円)で成約しました。これはニューヨークのマンション売買史上で最高額です。

 

 香港の夜景を見下ろす絶景の住宅地、ピーク地区では15億香港ドル(197億円)の取引がありました。買い手はアリババのCEO、ジャック・マ氏だと言われています。

 

 男性向け週刊誌プレイボーイの創刊者の、派手なパーティ会場としても有名だった超豪邸は2億ドル(202億円)で売りに出されて隣人が購入したのですが、価格は明らかにされていません。

 

 昨年の暮れにはパリ郊外の超豪邸の取引価格が3.01億ドル(304億円)とされ、事実とすると取引があった事が確認されている住宅取引としては世界最高額になります。

 

 しかし「市場価格」ではなく「建築費」という点から見ると、インドで第1位の富豪、アムバニ氏がムンバイに建てた高さ174m、27階建ての自宅は、建築費は一声10億ドル(1,010億円)です。この家の中で働くスタッフの数は600人と言われています。

 

(ドル=101円 香港ドル=13.1円 2016年9月29日近辺のレート)

              ジャパン・トランスナショナル 代表 坪田 清

三井不動産リアルティ㈱発行

REALTY real-news Vol.17 10月号 2016年 掲載