フィナンシャル・タイムズが指摘する日本の不動産の問題点

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 フィナンシャルタイムズに載ったのは8月6日付けだから、少々旧聞に属するが、同紙が日本の不動産市場なり、不動産制度をどう見ているか、一部をご紹介したい。

 

 まず指摘しているのが、日本、特に東京では人口比での新築住宅の件数が非常に多いことだ。

 2014年の新築住宅着工は東京都は142,417戸(人口1330万人)で、これはカリフォルニア州の83,657戸(人口3870万人)どころか、イギリス全体の137,010戸(人口5430万人)より多いのだ。

 

 また日本の用途規制では工業主体の地区でも住宅の建設が許されている。

 

 私の理解では日本では都市計画法制定の際に、工場地域にある住宅は騒音や異臭からこの地域から出ていき、住宅・工場の混用地帯はいずれ、自然に工場用途に純化されるとの議論がされたからだと教わった。

 

 その後、実際には移転する工場の跡地が絶好のマンション事業用地となった。これは法が想定したのとは正反対である。

 この点では、都市計画法の用途規制の理念は破たんしている。

 

 また、「土地」をどう使おうと――例えゴシック調の建物をピンク色で仕上げようと――自由だというのが日本では常識となっている、というのもフィナンシャルタイムズには奇異に映るようだ。

 

 イギリスやアメリカの不動産開発では、地元のコミュニティが大きな発言権を持つことが多々ある。アジア諸国では法の未整備もあって、突然、訳の分からない関係者が登場して、開発に待ったがかかったりする。

 

 まあ、フィナンシャルタイムズのこのくだりは極端なものの言いようだ。

 

 どんな国でも、不動産について「私的財産の自由」を100%認めるという事はありえず、必ず「公共の福祉」との平衡が図られる。日本の場合、「(法律が許す範囲での)私的財産の自由」の許容範囲が欧米よりも大きいという「程度の問題」の話だと思う。

 

 通常、外国人が日本の不動産で最も奇異に感じるのは、なぜ中古住宅がかくも早い速度で市場価値を失うかなのだが、これは言い古された話だからか今回は触れられなかった。

 

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