バンクーバーで「中国人」を狙い撃ちにした不動産市場抑制策導入へ

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 カナダではバンクーバー、トロント、カルガリーで住宅価格高騰が問題化している。

 

 特に上昇が激しいのは、西海岸のバンクーバーだ。6月の住宅の平均売買価格は前年比で32%上昇、一戸建てに限れば39%も上昇し今や平均価格は160万カナダ$(1.3億円)である。

 

 価格高騰の主因の一つは外国人による購入だ。調べによれば全取引件数の5%、額では6.5%が外国人による購入だった(言われていたよりは少なかった?)。ほとんどが中国人だ。

 

 バンクーバー市が属するブリティッシュ・コロンビア州は住宅価格抑制のために、外国人投資家を狙い撃ちにする事にした。

 通常は売買価格の1~3%である不動産取引税について、外国人(≒中国人)による購入の場合は税率をなんと「15%」にするというのだ。

 

 「空き家税」も検討されている。中国人は先進国での住宅投資を金庫代わりに考えている部分があり、購入したまま空き家としている例が多い。これがもろに対象になる。

 

 一般に不動産市場の行き過ぎを抑える政策手法は二つに分類できる。

 

 一つはマクロの金融を引き締める手法で、政策金利(公定歩合等)を引き上げたり、預金準備率を引き上げたりする方法だ。

 しかしブレグジット騒ぎに伴う動揺から、カナダの中央銀行としてはこれはとりづらい。

 

 もう一つは住宅取引を狙い撃ちした手法で、代表的なものに住宅ローンの融資基準を厳しくする方法、一家について二戸目以降の住宅取得を制限する方法、投資用に住宅を購入する投資家に対してローンを借りづらくしたり税を重くしたりする方法、外国人投資家に対して何らかの制限(税を重くする方法を含む)を加える方法等がある。

 

 外人投資家の多くは全額キャッシュの場合が多く、ローン制限を導入しても外人による投資を抑制する効果は薄い。従って採りうる手段も限られるのが通例だ。

 

 私が知る限り、イギリス、シンガポール、中国、オーストラリア、カナダで上記の規制のいずれかが採られている。

 

 今回のバンクーバーの方策は、どの程度、有効なのだろうか。

 カナダ国籍の中国人の名を借りた法人で買えば、しり抜けとなる気がする。

 また、15%課税開始直前には、駆け込み需要が発生、一段高となってしまう気もする。

 

 しかし、これの導入は住宅価格の抑制(下落)に対して一定の効果はあると思われる。

 

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