中国人の「マネー持ち出し法」の各種

 中国では外貨への交換は「一人当たり一年に5万$(605万円)以下」に制限されているはずなのですが、中国人の爆買いぶりを見ると実際はどのような方法で外貨を得ているのか、興味のある所です。ある英字紙には次のような6つの方法が紹介されていました。

 

 まず「香港と本土の両側に店を持つ『為替両替所』の利用」があります。最初の一回だけは本人が香港へ行きアカウントを開いた上で、本土の親戚に携帯で電話してアカウント番号を伝えます。本土側で人民元を振り込んでもらって香港側で外貨で引き出します。

 

 次が「地下銀行の利用」で、本土側の支店で発行された小切手を香港側の支店に持参し、現金化します。「地下銀行」が機能している事が前提ですが、小切手なら運ぶのに安全で税関でも見つかりにくい訳です。ちなみに昨年(2015年)11月に当局が地下組織の一斉摘発に入りました。この時に摘発された170の地下組織の中で最も多額に送金していた所は410億元(7670億円)を海外に送金していました。これらは「地下銀行」とも「為替両替所」とも呼べるケースでしょう。

 

 次は「一人5万$(605万円)」の枠を利用して家族、親戚、知人に依頼し、外貨を入手する方法です。6,000万円のマンションの場合は最低10人が必要と言う事になります。

 

 「現金や小切手をスーツケースに入れてそのまま持ち出す」中国人も多くいます。一例として、バンクーバーとトロントの税関では2年半の間に、869人の中国人が引っかかったそうです。

 

 中国本土と海外の両方に店を持つ大手銀行を利用して、その銀行の本土側の支店に預金した人民元を担保とし、海外の支店側で外貨(資金)を借りる方法もあります。日本では中国銀行がこの方法でローンを出しているそうです。

 

 最後の方法は、海外でカードにより時計や宝飾品を購入し、それをそのまま現地で売却して現金を得るという方法です。実際にはあらかじめそのような仕組みがあって、「時計等を『買った事にして』」取り引きします。この際の手数料は5~10%だそうです。

($=121円 元=18.7円 2015年12月24日近辺のレート)

                       ジャパン・トランスナショナル 代表 坪田 清

三井不動産リアルティ㈱発行

REALTY real-news Vol.8 1月号 2016年 掲載