アメリカの変わり種リート/無線アンテナリート・屋外広告板リートほか

 アメリカのその他の変わり種リートと、リート制度を利用した最近の事業再編の動きを見てみましょう。

 

 変わり種リートとして、「無線通信アンテナ」の保有・賃貸に特化したリートがあります。主たるクライアントは携帯電話会社で、最大手は約22,000の無線アンテナ基地局を持っています。メキシコ、ブラジルを皮切りに、海外進出にも積極的です。

 

 「屋外看板用の板と土地」の賃貸に特化したリートもあります。日本でもアメリカでも特に幹線道路沿いに大小様々な広告看板が見られますが、これらを描いたり貼ったりするための「板」、もしくはその板を建てるための「土地」を広告主に貸し付けている会社です。アメリカではこのような会社が上場してリート成りする規模に成長するのです。

 

 最近の動きとして、経営が思わしくない会社がリート制度を利用しようとするケースが目立っています。自社保有の不動産を外出ししてリート化し、リースバックを受けるのです。一時的には手元キャッシュを得て本体の株価も上昇しますが、長期的には多額の家賃負担が継続するので、このような分離が経営上の解決策になるのか疑問も持たれています。しかし活動家株主から厳しい要求がある事も多く、やむをえないという面があります。

 

 直近で話題となっている企業名を挙げると、カタログ通販で有名なシアーズ、カジノ運営大手のシーザーズ(旧社名ハラーズ)、ハンバーガーチェーンのマクドナルドがそれです。

 

 リート化するのはシアーズの場合は数百店に上る店舗、シーザーズの場合は不振にあえぐアトランティック・シティの大型のカジノ用不動産、マクドナルドの場合は同社の直営店の店舗やフランチャイズに貸し付けている店舗です。ちなみにマクドナルドが世界に保有する不動産の時価は420億$(5.1兆円)とされていて、リート化して上場されれば世界でもトップクラスの規模の不動産会社になります。

($=121円 10月30日近辺のレート)

                       ジャパン・トランスナショナル 代表 坪田 清

三井不動産リアルティ㈱発行

REALTY real-news Vol.6 11月号 2015年 掲載