GEリアルエステートが世界の全不動産、300億$(3.69兆円)分を一括売却

 昨年11月にGEリアルエステートの日本部門(日本GE)がマンション約1万戸強を1900億円でアメリカのファンド大手ブラックストーンに売却した話は、世界的な話題になったのですが、それがもっと大きな話の前触れであった事が今年4月に明らかになりました。

 

 GEは日本所在の不動産だけ売り払うつもりだったのではなく、世界中に保有する不動産全てを売る事にしていたのです。その額、総額で約300億$(3.69兆円)です。売り方も豪快で、前出のブラックストーンが丸ごと一括で購入します。昨年の日本のマンション・ポートフォリオ売買は、GEとブラックストーンのいわば「お手合わせ」だったようです。さらにこの話はGEがジャック・ウエルウチCEOの時代に急拡大させた巨大金融子会社・GEキャピタルを通じて行ってきた金融業から、ほぼ完全撤退するという話の一環でもあります。

 

 まだ不動産部門が独立していなかった「GEキャピタル」の時代、同社は日本で巨大不動産投資をしました。1999年に破たんした東邦生命が保有していた不動産のバルク買いがそれで、看板ビルは渋谷の坂の上に建つ非常に瀟洒な同社の本社ビルです(このビルはその後「渋谷クロスタワー」と名を変えて、後にあるリートに売却された)。このディールは日本不動産市場への外資、ハゲタカの登場という意味でも、とてもショッキングなものでした。

 

 GEリアルエステートという会社は不思議な会社で、前述のように300億$(3.69兆円)もの不動産を保有していたにもかかわらず、少なくとも近年は新聞に載るような著名ディールをした事がない筈です。日本での賃貸マンションポートフォリオも地道な開発なり取引なりを重ねて築き上げた物だと思われるのですが、海外でも耳目を引く「トロフィー型不動産」には目もくれず、現地の実情に合わせて中小規模の投資を積み重ねていたのではないかと思われます。

($=123円 6月26日近辺のレート)

                       ジャパン・トランスナショナル 代表 坪田 清

三井不動産リアルティ㈱発行

REALTY real-news Vol.2 7月号 2015年 掲載