日銀貨幣博物館とヤップ島の石貨

 中央区にある日銀の正門の反対側正面に「日銀貨幣博物館」がある。

 

 警備はおもおもしく、一般客に来てもらいたいと思っているのか、来られるとうっとおしいと思っているのか、迷いが「かまえ」によくあらわれている。

 

 手みじかに見て1時間、ゆっくりみると3時間。

 これであなたも「貨幣のつう」になれる。

 

 当ジャパン・トランスナショナルは、勤め先の近くだったので、五、六回、訪れた。

 

 一番、ふしぎなお金は「ヤップ島」という島で、今でも通用する「石のお金」だ。

 

 このあいだ、NHKのドキュメンタリーでとりあげていた。

 直径約1メートル。真ん中にかつぎ上げる時に使う棒を差し込む丸い穴が開いている。

 

 かっこうの研究テーマに思え、昔、深掘りしたことがある。

 興味深いことがいくつもあった。

 

 不動産取引の決済にもつかわれる。

 

 ある西洋人が近代的な工具で大量に石貨をつくったら、ヤップ島にインフレが発生。
 酋長たちはそうだんし、近代的な工具でつくった石貨は価値がない事にした。
 そのみかえりとして、くだんの西洋人にはヤシの実がたくさん取れる小島をあたえた。
 これで島をおそったインフレはしゅうそくした。

 

 アメリカの銀行が支店を開設した時、ある酋長が石貨を預金しに来た。
 支店長は「無利子ならば預かる」としてこれを受け入れ、支店長室にかざっておいた。

 

 島には長期的な人口減少が起きていることもわかっている。
 むかしは分担されていたとみられる「役割」をいまは一人が背負っていたりするからだ。

 

 日本でほかにヤップ島の石貨があるところ:

 

 〇大阪民俗博物館
 〇日比谷公園(コーヒーハウスの裏のあたり)
 〇ヤップ島ゆかりの個人宅の庭