2016年7月のブログ

万科企業vs宝能集団の中国初の敵対的M&Aの死闘も終盤戦?

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 万科企業と言えば、中国のマンションデベ最大手だ。

 通常の中国の民間企業と違って異色だったのは、突出した大株主がいないこと。

 ここが突かれてしまった。

 

 昨年末、今一つ正体不明の「宝能集団」に株を買い占められていた事が明らかになった。

 そのシェアは24.3%で、宝能側は万科企業側に経営陣の交代を求めている。

 

 万科企業は企業防衛策として、深圳メトロとディールをした(一種のポイズンピルだ)。

 深圳メトロに600億元(約9300億円)、出来上がりで20.65%分の新株を割り当てる。

 (宝能側のシェアは希薄化して、19.3%になり、筆頭株主ではなくなる。)

 万科企業は深圳メトロから土地、456億元(7100億円)分を購入する。

 これは「鉄道+不動産」という、日本の「東急電鉄」をまねたビジネスモデルだという。

 

 このディールの最大の問題は、深圳メトロへの割当価格が安いことだ。

 万科企業の以前の筆頭株主、華潤も現在の所、このディールに賛成していない。

 華潤は本来は万科企業の現経営陣に対して友好的なはずで取締役も3人送り込んでいた。

 しかし宝能集団は今、華潤の抱き込みを図っている。

 

 こんな中、宝能集団は開示規制のリミットに近い、24.972%まで株を買い増した。

 

 しかし攻める宝能集団に、新たな危機が迫っている。

 

 万科企業の株は昨年、暮れにかけて上昇し、今はかなり下落した。

 宝能集団の平均取得価格は、今の時価よりも相当高いはずなのだ。

 

 宝能集団の買占め資金の原資は銀行借り入れとシャドーバンキングだ。

 マージンコール(追加証拠金)差し入れが迫られている可能性が高い。

 

 そのような資金を新たに調達できるか、

 それとも、万科企業の株を手放すか・・・

 

 昨年、12月に幕を開けた、中国で初の敵対的買収劇の終幕はそう遠くはなさそうだ

 

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「国際金融センター」に必要な、ある種のうさん臭さに関する当局からの許容

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 国際金融センターとしてのロンドンの機能がブレグジット後、どの都市に行くかについて、フランス、ドイツ、アイルランド、オランダが誘致合戦の最前線だ。

 本命はフランス(パリ)とドイツ(フランクフルト)だが、アイルランド(ダブリン)はブレグジット後、唯一の英語圏だし、今でもシティの補完機能を担っている。オランダ(アムステルダム)にも一定の有利さがある。

 

 世界を三分すると、南北アメリカ地域の金融センターは問題なくニューヨーク、アジア・大洋州地域はシンガポールと香港と東京に分散、ヨーロッパ・中近東・アフリカ(いわゆるEMEA)がロンドンだった。

 

 話の前提は、イギリスが現在持っている「パスポーティング制度の適用」を失う事だが、今のドイツ・メルケル首相の態度を見ているとこれはまず間違いなさそうだ。

 

 イギリスのあるシンクタンクが金融のプロ、3016人にアンケートして作成した「国際金融都市指数」が先日発表された。これによれば、首位はニューヨークを僅差でおさえたロンドン、3位はシンガポール。4位は香港、5位が東京、6位がチューリッヒ(スイスはEUに加盟していない)と続く。

 

 以下、EUの都市は順位を下げてみても全然出てこず、やっと出てくるのがフランクフルト18位、ミュンヘン27位、パリ32位、アムステルダム34位、ストックホルム37位、ダブリン39位である。

 

 国際金融センターが繁盛する要件は結構難しい。人材の厚みが必要だし、法律や規則があってそれがきちんと執行されていなくてはいけないし、ビジネスインフラも必要だ。

 

 何より難しいのは、「金融を担う人間が持つ『ある種のうさん臭さ』を、取り締まる側がどこまで許すかの加減」、即ち、「取り締まられる側」が長年の経験で確信するに至った「この国ではこの程度のうさん臭さなら大目に見てくれる」という「信頼感」が必要なようだ。

 

 その点、フランス人やドイツ人の政府は、金融業会社にとってうるさすぎる。両国とも、金融会社は当局からどんなインネンを付けられるか、分かったものではない。

 

 同じ話はアジアにも言える。シンガポール、香港はこの辺の加減をうまくわきまえている。日本もそのあたりを理解しておかないと、いくら箱やインフラを整備しても「国際金融センター」にはなれないと思う。

 

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「愚行」ではなかった、安邦保険のウォルドルフ・アストリアの高値購入

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 ウォルドルフ・アストリアはニューヨークのミッドタウンでヒルトンホテルが運営している超高級・超名門のホテルだ。

 元々はヒルトンはこのホテルの不動産も所有、いわゆる「自社物件」だった。

 

 中国の安邦保険がこのホテルの「不動産」を購入したのは、2015年2月とされているが、たぶんこれはディールのクロージングの日で、ディールの発表自体は2014年10月だ。

 

 問題は「価格」だ。19.5億ドルと、アメリカのホテル史上では突出した最高額だった。

 

 この取引の事を、「folly」と表現するメディアは多い。「folly」とは「愚行」の事だ。

 この時に道連れにされるのが決まって、「バブルの時代の日本の会社のような・・・、例えば『三菱地所のロックフェラー』や、『ゴルフ場のベブルビーチ』のようなfolly」とくる。

 

 これは三菱地所さんにとっては迷惑な話で、今でも20数年以上前の失敗が話のスパイスとして引き合いに出されてしまうわけだ。

 三菱地所さんの名誉のために言えば、ロックフェラーとのディール、パッケージディールだった訳だが、おまけでついてきた不動産仲介会社が高値で売れたり、ビルもそこそこの値段で売却できたものがあったり、さらに無傷の超高層ビルが残っていたりして、当時、表面化した巨額の損は、今ではもうとっくに取り戻しているのではないかと思う。

 

 さて安邦保険、ウォルドルフ・アストリアの営業を来年春から休止し、全1413室ある部屋のうち、1100室をラグジュアリーな分譲マンションにコンバージョンするらしい。

 3年後の営業開始後、残りの300室程度は以前の通り、ヒルトンが運営する。

 

 問題はその収支だ。

 ニューヨークでは、歴史ある(≒古い)ホテルのマンションへのコンバージョンは、ベラボウに儲かるのだ。

 

 安邦保険が19.5億ドルで購入した時、全部を分譲マンションにコンバージョンすれば、40億ドルになると言われた。今回もリノベ費用を差し引いても、十分おつりがくる。

 

 スターウッドのM&Aやカナダのホテルのオファーの撤回で、何を考えているのかよく分からないところがあった安邦保険だが、本件は「folly」ではなく、しっかりとそろばんを弾いていたようだ。

 

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イギリス:商業不動産ファンドで混乱が止まるわけがない?

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 6月23日にブレグジットが選択され、先週(7月4日からの週)はイギリスの商業不動産ファンドの問題で大騒ぎだ。

 

 もしブレグジットが決まれば、不動産セクターで最も影響を受けるのは、ロンドン、特にシティとカナリーウーフのオフィスビルと、国民投票前から言われていた。

 その予言が、もう違った形で的中している。

 

 しかしイングランド銀行のカーニー総裁はもっと広範に、「不動産セクター」として、以前から懸念を言明していた。

 

 当座の問題は「商業不動産ファンド」の問題が、「現物の商業不動産市場」の問題に拡大するかどうかだ。

 商業不動産ファンドが抱える不動産の換金を急げば、これらは大幅にディスカウントした価格で売りに出されることになる。

 つまりファンドがきっかけで、オフィスやSCモール等の価格急落が起きかねない。

 見通しは半々だろう。

 

 どうなるかは、ファンドに大口の出資をしている、機関投資家の態度次第か。

 今のところは、パニック売りに走っているのは、小口投資家なのだ。

 

 カーニー総裁が昔から懸念しているもっと大きな問題は、「住宅」だ。

 特に、投資家が借金で大きくレバをかけて買った、投資用賃貸住宅を懸念している。

 

 自己居住用に買って自分で住んでいる人間とは違い、賃貸住宅への投資家は価格が下落するならすぐにでも売ろうとするだろうと予想される。

 つまり、投資用賃貸住宅は市場の振幅を非常に大きくする。

 今回は、今後、これがきっかけで、住宅市場が大崩れしかねない。

 

 ヨーロッパでは問題は常に複数の問題が錯綜する。

 イギリスは「合理的に」この問題に対処できるだろうか。

 

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日の丸自動車が昔、三井不動産から高く買わされただって?

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 ビジネス上の知人から、日の丸自動車の方が「昔、ロサンジェルスの物件を三井不動産から高く買わされた」と言っていたと聞かされた。

 

 本当にそう言っているとした、心外、というか頭にきます。

 日の丸自動車の1981年頃の名刺入れを逆さにすれば、私の名刺も出てくるはずだ。

 

 日の丸自動車のオーナー一族は、三井不動産の会長だった江戸さんと面識があった。

 

 当時、三井不動産のLAの店は超高層ビルを取得、ワイキキでホテルを建設、工業団地を分譲、新しい超高層ビルと郊外型のオフィスビル用地を買収、と少人数でフル回転だった。

 

 そこへ江戸さんの紹介でアメリカ不動産にはド素人の日の丸自動車がやってきて、自分もLAでビルを買いたいと言う。

 テナントが第一勧銀の子会社であるビルが、物としても予算的にも良く、利回りもまあまあだったので、これを推薦した。

 

 うちは仲介はしていないので、自分で交渉できるように、商業不動産ローンの基本とか、デットとエクィティの分け方とか、為替リスクの考え方なんかを説明、地元の信用できる弁護士も紹介した。

 

 とにかく忙しいので、仲介なんかやっていられなかったのだ。

 

 ところが日の丸自動車、それなら「三井不動産を売主として買いたい」と言って、きかない。

 アメリカ人が相手ではどこでだまされるかわからないので不安だという。

 

 三井不動産でいったん買ってそれをお売りすると、当方としては当然、いくばくかを乗せざるを得ないという事は、重々説明した。

 

 価格を提示したら、「高いのは承知しています。言い値で買います。しかし諸経費を最大限削りたい。」という。

 

 なんと、買主側の弁護士すら、立てないというのだ。商業不動産取引で、こんなのは聞いたことがない。

 お互いの弁護士同士ですり合わせしてくれればこっちは手間がかからないのに、これでは・・・

 

 取るに足らない「空中権」のお話をお聞きしたいのなら、メールください。

 

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