2016年10月のブログ

アメリカで近年に勃興した「新しい不動産ビジネス」

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 「新しい」とは「リーマンショック後」という事にして・・・

 

 この約10年弱の間で新しく登場した不動産ビジネスを整理しようと思っている。

 「昔から世界にはあるが日本にはない」というビジネスも含めて、今のところ、17のビジネスがリストアップできた。

 最終的には20数個のビジネスモデルの紹介という形にして、セミナー会社のどこかで講演させていただこうかと思っている。

 

 とりあえずアメリカ編で、目立つものを書いておこう。

 

 一つ目は超富裕層向けの「ウルトラ・ラグジュアリーマンション」。

 一住戸、十数億円から100億円まで。

 ここ数年の間に、このセグメントは「散発的取引」ではなく「市場」となった。

 立地は、マンハッタンに限られる。

 

 二つ目は「一戸建て賃貸住宅ファンド」。

 リーマンショックで債務不履行から差し押さえられた家が市場にあふれ、  

「ウォール街のマネー」がこれを買った。

 今は最大手は3万戸から5万戸を保有賃貸している。

 持ち家から追われた人がたくさんいたので、賃借人は悠々と見つけることができた。

 

 三つめは日本でもよく知られている、Airbnb。

 SFで設立から8年、順調に規模を拡大してきたが、いまはアゲンストの風が吹いている。

 相当強烈な「アゲンストの風」になりうる状況なのだが、それはともかく・・・

 ビジネスモデルとしては単なる二番煎じではもう同社には追いつけないだろう。

 参入するとしたら、何らかの形でビジネスを「絞り込む」ことになると思う。

 

 四つ目は、WeWork。

 いわゆる「オフィス共有サイト・ビジネス」と紹介されることが多い。

 日本でも大手不動産会社を含め、似たようなことをやっている。

 しかし不動産会社が床を埋めるためにやっているのとは、発想の原点が違うわけだ。

 

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ちょっと気が早いが、今年の不動産関連M&A・ビッグ3/ヴォノビア・スターウッド・万科企業

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 少々気が早いが、今年、目立った「不動産関連M&A話・ビッグ3」をまとめてみよう。

 

 まず日本ではあまり話題にならなかった案件だが、ドイツ最大の賃貸マンションリート、ヴォノビアvs同業第2位のドイチェウーネンの敵対的買収。

 

 これは話の展開という面で、まるで絵にかいたような敵対的買収劇だった。

 

 伏線としては、ドイツは賃貸住宅大国なのだが、ここ数年、賃貸マンションリートの間で合従連衡が進んでいた。本件はその流れの「最終決戦」とも言える案件で・・・

 ヴォノビアがドイチェウーネンを合併できれば、戸数50万戸を超す超大型賃貸マンションリートになり、時価総額でもヨーロッパ第2位の不動産会社となるはずだった。

 

 しかし、ドイチェウーネンは逃げ切り、この敵対的買収は失敗した。

 

 二つ目は、日本でもかなり話題になった案件で、ホテルのスターウッドを同業のマリオットが買収し、その結果、室数110万室という世界最大のホテルチェーンが誕生した案件だ。

 

 最終局面ではマリオットvs安邦保険のどちらが買収するかで、丁々発止のやりあいをした。

 

 この一件の経緯は「執筆実績」のコーナーで書いたので、下記をクリックの事。

「マリオットによるスターウッドの買収確定までの経緯」

 

 三つ目の案件は、中国最大のマンションデベ、万科企業にかかわる件だ。

 

 経営権を狙っている(乗っ取りを図っている)のは宝能集団という、無名の会社だ。

 

 逃げる万科企業が助けを求めた先が深圳メトロ。万科企業はここへ大量の新株を割り当てる代わりに、深圳メトロから事業用地を取得しその代金を払うという話をまとめかけた。

 

 誤算が生じた。万科企業の友好的株主であるはずの華潤が深圳メトロとのディールに賛成しなかったのだ。話は膠着状態にある。

 

 従って本件はまだオン・ゴーイングな話であり、今日現在、決着してない。

 

 万科企業vs宝能集団の話は、過去に2回、検索改善ブログの欄で書いた。

 「万科企業VS宝能集団の中国初の敵対的M&Aの死闘も終盤戦」

 「再び混とんとしてきた万科企業のM&A」

 

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香港の住宅市場の予想外のリバウンド

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 崩落すること間違いなしと思われていた香港の住宅市場だが、ここに来て様相が異なってきた。

 

 香港の住宅市場がピークを付けたのは昨年の9月、その後、ピーク比13%の下落で今年3月に底を打ってから、反発に転じた。

 

 この反発は当初は一時的なものと見られ、アナリストは今年はピーク比で20-30%下落をするという見方を変えない人が多かった。

 

 ところがこの底打ちからの反発、現在、ピーク比9%下落の水準まで回復、さらにグッドニュースもいくつか出ている。

 

 例えば香港で一番の富豪、李嘉誠(リ・カーシン)傘下の長江プロパティは郊外部の新界地区でマンションの事業用地を取得した。額は19.5億HK$(約250億円)だが、彼はしばらく住宅市場から遠ざかっていて、マンション事業用地取得はなんと4年ぶりだ。

 

 香港居住者限定向けとして販売された、戸数300戸のマンションが即日完売した。

 

 そして何よりも大きいのは、香港に中国人の投資が戻ってきていることだ。金融危機以降、香港の住宅価格は倍以上になったが、それをけん引していたのは中国人による投資だった。

 いま、その中国人がまた戻ってき始める気配があるのだ。

 

 中国人が香港に投資する理由は、中国の国内要因だ。

 

 中国では金融緩和により、特に大都市で住宅価格がひどく上昇している(二極化している)。

 深圳、上海、北京、天津、成都、鄭州、無錫、蘇州、済南等の各市では、市の実情に応じた様々な住宅市場抑制策を導入している。

 

 つまり、中国では住宅は今は「投資」という面では高すぎて、かつ買いづらいのだ。

 そのため、投資資金の一部が香港に向かっている可能性がある。

 

(ブログ:中国では住宅市場の好転が広がる一方、不動産株は下落

 

 香港の住宅価格が反発上昇を維持するとしたら、中国人のこの動きによる所が大きい。

 李嘉誠は中国によく通じているため、これを確かなものとつかんでいたのだろう。

 

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アメリカの投資ビザ・EB-5で、問題視する記事がまた目立ち始める

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 アメリカでまた、「EB-5」というステイタスのビザを問題視する記事が目立っている。

 

 「EB-5」というのはいわゆる投資ビザで、アメリカに50万$以上の投資をすれば、この移民ビザで永住権=グリーンカードが取得できる。「投資永住権ビザ」とも呼ばれる。

 年間の発行上限は1万件で、このところ毎年この上限に達している。

 

 投資先に制限があり、失業の多い地域で雇用を10人以上を生む事業に限られる。

 制度の趣旨としては「海外からの投資で景気が悪い地区を活性化させよう」という物だ。

 

 ところが制度の趣旨に反し、普通に考えて「失業が多い地域」ではない地区での不動産開発において、デベがこの制度を利用して海外からの重要なファイナンスの手段としている例が前からあった。

 

 先日、この欄で書いた、マンハッタンのハドソンヤードを主導する大手デベのリレイティッドがその代表選手だ。なにせ「元は鉄道の操車場」である地区だから、この地域の就業者数は非常に少なく、従って「失業の多い地域(雇用が少ない)」に該当してしまうのだ。

 

 (過去のブログ゙:マンハッタンの「ハドソンヤード」

 

  「公園」を対象地域に含めて、「失業が多い」としてしまう例もある。

 

 この投資ビザに出資しているのはほとんどが中国人だ。

 中国人たちは自分の国に不信感を持っていること、甚だしく、何かあったらいつでも海外へ高飛びできるようにしておくことを、一種の保険のように考えている。

 

 ビザが保険なら、買っている海外の不動産は貯金通帳だ。

 「EB-5ビザ付き」の不動産プロジェクトへの出資ならば、両方とも一緒に話が付く。

 

 こういう、制度の本来の趣旨とは異なる利用のされ方は前にも問題になった。

 

 今回、問題になっているのはフロリダの不動産開発で、マンションの販売とビザの手続き代行をセットにして、中国人が主導して中国本土でこれを売っている事だ。

 

 「ビザ」というのはある意味で国の根幹にかかわる手続きだ。

 これを道具に中国人がアメリカの外で商売しているのはいかがなものかという話である。

 

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