グローバル不動産経済研究会:レジメ

 英ハマーソンが英のSC会社インツへ出していた35億£(5200億円)の買収オファーは流れ、仏クレピエールが英ハマーソンに出していた50億£(7450億円)の買収オファーは降ろされてしまった。クレピエールはハマーソンに対して「インツを買収しない事」を条件にオファーしていたのだが、このような状況下で誰が不満を持つのかというと、「ハマーソンの株主」である。彼らにしてみればハマーソンの役員会がインツの買収を取りやめ、株をさっさとクレピエールに買収してもらっていた方が手早く、確実にもうかったからである。  SWF(ソブリン・ウエルス・ファンド)が原油価格の上昇とともに元気を取り戻しそうだ。日本にはすでにノルウェーが登場しているが、今後はカタール、アブダビ、クウェート、ドバイといった中東勢の他、意外なところ(例:ナイジェリア)が現れる可能性もある。ただし個別に見ないと分からない点も多く、例えばサウジは財政難が伝えられる一方でソフトバンクのファンドには大口を拠出している。中国では外貨準備高が落ち着いてきた事から、中国投資公司の本格的再登場がありうる他、シンガポールのGIC、テマセクも考えられる。  中国のHNAがマンハッタンの大型ビルをリートのSLグリーンへ22.1億$(2430億円)で売却する交渉をしている。HNAはこの他にヒルトン本体の株も売却へ動き、ドイツ銀行への持ち株もわずかながら減らしている。「売りやすく、かつ売ると黒字」の資産から売却しているようだ。 HNAと並んで当局から名指しで警告を受けた安邦保険、大連万達、復星(国際)については明暗が分かれている。政府管理下にある安邦保険は本格的な資産売却の体制作りに入り、大連万達は主要な資産の処分によりすっかり骨抜きされている。オープンした青島の超巨大映画スタジオ、「東方影都」については大連万達は施設を売却済みで、単なる施設管理者・施設運営者の立場だ。両社とは対照的に復星は前向きな投資を許されている。同社は地中海クラブやシルク・ド・ソレイユの買収で知られている。  ホテル業界はどの国でも顧客の囲い込みのために「優遇/ポイント制度」を導入しているが、去年マリオットに買収されたスターウッドのそれは、同社のファンたちの間で特に評判が良かった。マリオットは従来3本並列してあった同社のロイヤルティ・プログラムの一本化し、優遇内容が予想より良かった(気前が良かった)のでファンたちは安心している。  ウィン・リゾーツはウィン元会長のセクハラを会社として長年看過していたことが咎められ、マサチューセッツ州で進めている事業費25億$(2750億円)のカジノ、「ウィン・ボストン・ハーバー」の売却を強いられることになりそうだ。買い手は限られており、かなり買い叩かれるだろう。買い手の最有力候補はMGMリゾーツだ。  コーヒーのスターバックスでは人種差別問題が発生、大問題へと発展する前に「全店を半日閉め従業員に人種問題の訓練を行う」と発表、対応の素早さと的確さが賞賛されている。  WeWorkがジャンク債を発行、5億$(550億円)のところ、7.02億$(772億円)分の発行となった。売れ行きは良かった訳だが、その後、市場では額面を割った値段が付いている。  フィナンシャル・タイムズは従前から同社に頻繁にケチをつけていたが、今回は「売上が8.86億$(975億円)で支出が18億$(1990億円)では、長続きするわけがない」とした。           (ジャパン・トランスナショナル 代表 坪田 清 f-ree@88.netyou.jp) グローバル不動産経済研究会2018.5.5締め
 M&Aでは買収の申し入れを受けた側が取る態度が3種類ある。「受諾」と「拒絶」、もう一つはそのどちらとも公には態度を明らかにしない対応で「アンソリシティッド(unsolicited)」と呼ばれる。まったく相手にできないという意思表明の事もあるが、水面下で条件交渉をしている(例:買収価格の引き上げ)場合も多い。...
 世界の住宅市場について興味深い記事が3本出た。...
 海外買収を派手にしすぎた事で監視対象になっている主要4社のうちの1社、安邦保険が中国の「政府管理」となった。期間は1乃至2年である。今回の処置は同社がこのままでは破たんする状態であった事を意味している。現在、同社の国際的な問題の方が大きく取り上げられているが、実際は破たんに伴う国内の問題の方が大きかったのであろう。...
 コワーキングの雄であるWeWorkに対して、前向きな評価とケチが交錯している。...
 アメリカでは法令を満たしているからと言って、その通りに簡単に建つわけではない。  先日はガンマリアルエステートがもう基礎工事を着工していた超高層マンションについて、住民運動によりゾーニング(用途規制)が変更されてしまい、建たなくなってしまった。...