2016年2月執筆実績ブログ

中国の話は「10」で割ると実感がわく

 「中国の話は10で割って考える」・・・20年以上前に教わった、中国に関する「途方もない数字」を聞いた時の対処方法です。人口が約10倍なので、そうすると分かりやすいのです。

 

 例えば「人口1000万人以上の都市の数」ですが、国務院は「6都市」としている一方、OECDは「15都市」と推計しています。このくらいの誤差でつまずいていては、中国の話は先に進みません。「人口1000万人」を10で割ると「100万人」になります。日本には人口100万人を越す都市が「12都市」ありますから、これはどんぴしゃりです。

 

 中国には「人口100万人以上の都市」は142あるとされています。日本の「人口10万人以上の都市」は290ですから、中国政府の都市人口の把握能力の疑わしさを考えると、これもほぼ近いと言っていいでしょう。

 

 2012年3月に失脚事件を起こした薄熙来(はくきらい)が市長だった重慶市は面積が北海道よりも広い「市」です。重慶市の面積を10で割ってもまだ札幌市の7倍強ありますが、札幌市周辺の地域を加えた「札幌都市圏」でみるとかなり接近するものと思われます。

 

 中国では現在、特に地方部で新築マンションの完成在庫が大問題になっています。国家統計局は売れ残り住宅在庫の床面積を昨年11月末時点で「中国全体で4.41億m2」であると発表しました。これも途方もない数字で、このままでは実感がわきません。

 

 10で割って坪に直すと、1334万坪です。中国らしく大きめに考え、戸当たり30坪としますと、「44.5万戸」になります。日本の新築住宅着工は年88万戸程度なので、中国の売れ残り住宅は、日本で言うなら「全ての新築住宅の半分が売れ残りの空き家となっている」という事態に相当します。

 

 さらに、中国では工事完了の直前で仕上げ工事をせずにストップして販売にもかけず、これにより「完成在庫扱い」となる事を避けている住宅がかなりの規模であるとされています。その全貌は、誰もつかめていません。

 

 こうやって「10で割る」と中国の売れ残り在庫の話はきわめて深刻な話である事が、実感的にもわかります。

 

                      ジャパン・トランスナショナル 代表 坪田 清

 

三井不動産リアルティ㈱発行

REALTY real-news Vol.9 2月号 2016年 掲載

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